身体にまつわる都市伝説 第52回

男でも母乳が出るって本当?

2011.06.20 MON

身体にまつわる都市伝説


男の胸にも乳腺が存在する。血液を材料とする母乳がそこから出てくるのは、そう不思議なことではないのだ 写真提供/PIXTA
たまにバラエティ番組などで“びっくり人間”として取り上げられる、母乳が出る男性。噂に聞いたことはあるが、母乳とは本来、母となった女性が赤ちゃんに与えるもの。妊娠することのない男性がこれを出すというのは、なんとも奇っ怪である。

いかにも都市伝説っぽいこの話、真相はどうなのだろう。池袋スカイクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「実はこれは、医学的にあり得ることなんです。男性の体はもともと、女性の体をもとに作られています。乳房…と表現するのは語弊がありますが、男性の胸にも乳腺は存在していますから、母乳が出るのはそう不思議なことでもないんですよ」

これはびっくり。男から母乳が出ることは、医学的にも認められる現象だった。

須田先生によれば、人間は胎内で成長する際に、ホルモン濃度によって男/女の身体的な形質が誘導されていくもの。男性に誘導されていく場合は、たとえばクリトリスが形質変化で大きくなって陰頭になるなど、男性パーツはどれも女性の体をベースにつくられているのだ。

「ですから、男性でありながら少量の母乳が出ることがあっても、心配はいりません。ただし、ごく稀に病的な要因によって母乳が出るケースもあるのでご注意を。脳内にできた腫瘍が原因で、母乳を出す指示を下すホルモンが過剰分泌されるケースなどがそれにあたります。多量の母乳が出たり、視野狭窄など動作や感覚の不具合を併せて感じる場合は、医師の診断を仰ぐべきでしょう」

なお、母乳は血液を材料とするものであるため、男性が出す母乳も成分的には女性が出すそれとほぼ変わらないという。

「現在も研究が進められていますが、母乳とは非常に奥が深いもので、赤ちゃんの成長段階に応じて内容成分を少しずつ変えている節があるんです」

う~ん、これぞまさに生命の神秘。そう考えると、1回くらい母乳が出る感覚を味わってみてもいいかも!?
(友清 哲)

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