身体にまつわる都市伝説 第65回

飲み過ぎると「酒やけ」して肌が黒くなる?

2011.09.19 MON

身体にまつわる都市伝説


酔って顔が赤くなる現象とは別に、アルコールによって誘引される「酒さ」という皮膚疾患もある。楽しい席でつい飲み過ぎてしまう気持ちはわかるが、お酒がもたらす肌トラブルにも十分気を配っておきたい 写真提供/PIXTA
この夏は結局、海にもプールにも一度も行けずじまいだった。夏らしいオフタイムといえば、せいぜいビアガーデンくらいのもの。…まあ、ついつい飲んだくれてしまうのは夏にかぎったことではないのだけど。

ところが不思議なことに、そんな冴えない夏を過ごしていたにもかかわらず、久しぶりに会う人から「少し焼けましたね」といわれることがある。街を歩いているだけでも多少の日焼けはするだろうけど、頭をよぎるのは「酒やけ」という現象だ。

お酒を飲み過ぎると、肌が黒ずんでくるというのは、たびたび耳にする噂である。もしそれが事実なら、精悍な日焼けと違い、いかにも不健康な印象だが…。本当にそんなことがありえるのか、池袋スカイクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「酒やけという医学用語はありませんが、お酒にまつわる皮膚疾患は複数ありますから、アルコールを摂取することで皮膚の色が黒くなることは十分あり得ると思います。たとえば脂漏性皮膚炎。これは簡単にいうと、飲み過ぎることで発生する脂肪酸が皮膚を刺激して炎症を起こすものです。厳密には黒くなるというより、くすむと表現した方が適切かもしれませんが」

こうした肌トラブルによってあばたが増えると、色素が沈着しやすくなるのだと須田先生は解説する。また、大酒飲みの人が慢性的に赤ら顔をしているのは、「酒さ(しゅさ)」と呼ばれる慢性炎症性疾患だという。

「『酒さ』は皮膚病の一種で、毛細血管が拡張することで、鼻や頬、おでこなどの部位に赤みが表れる症状です。これが慢性化すると、夏みかんのようなデコボコした肌になってしまう恐れもありますから、やはり注意しておくに越したことはないでしょう」

飲み過ぎによってダメージを受けるのは内臓だけではないのだ。ビジネスマンたるもの、仕事や付き合いで酒席が多いのはやむを得ないが、肌に表れるサインを見逃さないよう気をつけてほしい。
(友清 哲)

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