寒い日が続くから…

チンしておいしいフルーツ選手権

2011.12.12 MON


果物は加熱すると甘くなる。わりとよく知られた話だが、これはどんな果物にも当てはまるのか? 旬の様々な果物を電子レンジで温めて(※750Wで30秒、皮を剥いた状態で加熱)検証してみた。

まず、甘味が増し、おいしくなったのは「ミカン」「リンゴ」「バナナ」。ミカンは加熱前より酸味がぐっと抑えられマイルドな味わいに、リンゴは甘味と瑞々しさが増してよりジューシーになった。バナナは形が崩れグズグズの状態になったが、やはり甘味は増した。ただ、香りもかなり強くなるので好き嫌いは分かれそうだ。

次に、酸味が増して、かえってまずくなったのは「キウイ」と「イチゴ」。キウイはやわらかくなりジューシーになったものの、甘味が消えてかなりの酸っぱさ。イチゴは形状もぐちゃぐちゃになったうえ、酸っぱさばかりが際立っていいとこなしだった。

ちなみに、カキ、パイン、なし、ブドウも検証してみたが、これらは特に変化がなかった。

果物によってなぜこうも結果が違うのか? 『味覚と嗜好のサイエンス』など、味覚にまつわる多数の著書をもつ京都大学の伏木亨教授に伺った。

「果物には甘さと酸味が様々な割合で同居しています。甘味と酸味の感じ方が温度の上昇でどのように変わるかについては次のようなことが知られています。
温度上昇によって
(1)甘味は強く感じるようになる。
(2)酸味は温度が上昇してもそれほど強く感じるようにはならない
(3)果物の香りは、温度上昇によってより強く感じられる。
この3つの組み合わせで、実験の結果が解釈できると思います」

上記の法則に基づき、伏木教授に実験結果を分析してもらった。

「まず、バナナ、ミカン(温州ミカン)、熟したリンゴのように、甘味が酸味よりも充分に強い果物は、温度上昇によって甘味がさらに強く感じられるようになります。それによって酸味がマスクされることもあります。次に、キウイやイチゴのように、酸味が充分あって甘味があまり強くないものでは、温めても酸味を凌駕するほど甘味が増加しないものと思われます。レンジ加熱で形が崩れて酸味の強い均一な状態になったことも、全体が酸っぱくなった原因の一つでしょう。しかも温度上昇によって果物の香りが増すので、元々の酸っぱいイメージが香りによって増強されたと考えられます。最後に、カキやパイン、ナシ、ブドウなどは酸っぱい匂いがそれほど強くなく、甘味と酸味のバランスが適当なので多少の甘味増加はあっても味わいにはあまり影響しないものと思われます」

なるほど。この法則をおさえておけば、温めておいしくなる果物の傾向がなんとなく掴めそうだ。ちなみに、webで調べてみると、果物と一緒に調味料などをチンするだけでできるカンタンなスイーツレシピがみつかった。例えば、バナナとチョコレート、牛乳をマグカップに入れてチンするだけでできる「ホットチョコバナナ」ドリンク。また、リンゴとレモン汁、砂糖、水、レーズンを一緒に温めれば「リンゴのコンポート」が作れる。12月に入りグンと冷え込む今日この頃、みなさんも“おいしい温フルーツ”を試してみては?
(榎並紀行)

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