お笑い芸人から新人へのメッセージ

ケンコバ「愛人を作るとか目標を」

2012.02.27 MON


「筋の通った目標 (愛人を作るなど)を持て!」
芸人 ケンドーコバヤシ


多くの芸人さん同様、新人時代は苦労をした。その苦労は報われ、いまや押しも押されもせぬ人気芸人である。しかし、その苦労話を尋ねると…。

「自分の出演作はバラエティでも観ないくらいで、過去はあんまり振り返らないんです。まぁ、お酒飲みにいきたいだけなんですけど(笑)。よく言えば、常に前だけを見て歩いてきたということです」

とか言いつつ、しっかり語ってくれるのだ。

「工事現場のバイトをしてたんですが、現場が押して服がドロドロのまま舞台に出たことがあったんですね。そしたら先輩に『お笑いなめとるんか!』とドヤされて」

仕事に向き合う姿勢を学んだらしい。だが実際は、仕事どころじゃなかった。

「お笑いより生きることに必死で。桂三度さんにコンビニのゴミ箱漁っているのを偶然見られて怒られて、メシをおごってもらったこともありました。でもつらいとは思いませんでしたね。売れてるヤツに嫉妬心もなかったですし。不遇な自分を楽しめていたんでしょう。若いころはお金なくて大変なんですが、振り返ると楽しい時期なんですよね」

前向きなのだ。だが、自身を「楽するためには努力を惜しまない」と卑下する。しかしこのインタビュー直前にとある若手女優さんを取材したら、「ケンコバさんはとてもいい人ですよ」というではないか。

「あー、それはパンツくらい見せてもらえるかもと思ったからですよ(笑)。喧嘩するくらいなら笑かす方がマシ。トラブルを避けてきたってことなんですよ」

あっさりと自分を落とす。つまりは照れ屋なのだろう。だが“演じること”においてはその限りではないようだ。実は演技にも定評があるのだが、俳優業は「人妻の危険なアルバイトです」と断じる。最新のアルバイトは、映画『ゴーストライターホテル』での文豪、宮沢賢治の幽霊役。

「宮沢賢治って生涯独身のチェリーボーイだったんですね。実は出演のオファーを受けたのが、風俗の待合室で。ここはやめて帰るのが役作りだと思いましたが…」

止まらなかったらしい。作家志望の青年・内海文一(阿部 力)は、名だたる文豪が愛した老舗“本天堂ホテル”を利用し、そこで働くことになる。やがて文一は、とある部屋で文豪の霊たちと邂逅し、筆を走らせる喜びに目覚めていく…と書くと、ハートフルな香りすら感じ取れるが、そこはほら、文豪役がみな芸人なのだ。

「江戸川乱歩役の(カンニング)竹山さんのヒザが、動くたびにパキッと鳴って、そりゃもう立派な中年なんですよ。見どころは正直そこくらい(笑)」

意訳すると、とても楽しめる映画ということだ。

のらりくらりと笑わせてくれるのだが、男として一本筋の通った目標を持つことは大事だとも語る。

「いやね。僕の場合はやっぱり美しい妻と、そいつのためなら死ねるという息子、そんでかわいくて仕方ない愛人。この3つだけは、何を犠牲にしても得たいですね!」

堀 清英=撮影
吉々是好=取材・文

  • けんどーこばやし

    1972年大阪府生まれ。NSC11期生。2000年よりピン芸人として有名に。「魁!男塾芸人」として出演した『アメトーーク!』DVD21巻が3月28日発売。最新の活動は映画『ゴーストライターホテル』。世界のナベアツ、カンニング竹山などが文豪たちを演じる必見の一本。3/17(土)シネマート新宿ほか全国ロードショー

    (c)テレビ朝日/吉本興業

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