「どこでもオフィス」な働き方の実践法

会社員もできる「ノマドワーキング」

2012.04.23 MON


撮影/櫻井将士
最近よく耳にするようになった「ノマドワーキング」という言葉。拠点となるオフィスを持たずに、カフェやレストラン、レンタルスペースなどを一時的に使って働く仕事術のことだ。

「ここ数年、クラウドサービスの充実やレンタルオフィスの増大で注目を集めてきています。環境が整備されたことで、浸透され始めているのだと感じてます」

そう語るのは、トリムタブジャパン代表で『「どこでもオフィス」仕事術』著者の中谷健一さん。オフィスを持たない働き方のメリットとは、どこにあるのか。

「仕事柄、移動が多いので、拠点を構えるよりも身一つで働く方が機動力も上がると思ったんですよね。それに、1カ所にずっと留まっているとメリハリがなくなり、仕事の能率も悪くなってしまいます。あえて拠点を持たずに転々とすることで、常に新鮮な心持ちで働けるんです。例えば、クライアントとの打ち合わせの際には、待ち合わせより早く来て近場のカフェで準備をし、資料はコンビニでプリントアウトする。打ち合わせの直前に準備できると心理的な余裕が生まれ、スムーズに進むんです。カフェで打ち合わせをする時は、クライアントによって、個室型、にぎやかな店、雰囲気のいい店など、場所を変えることもありますね。情報を電子化して持ち運べる今の世の中では、拠点を持つよりも、あっちこっち移動しながら働く方が自分としては働きやすいんです」

一方で、中谷さんは3年間のノマド生活の中で「アイデアを思いついても、すぐに話せる相手がいない」というデメリットも感じていたようだ。しかし、今ではその改善策も見つかっているという。

「『コワーキングスペース』という、ノマドワーカーたちが集まるスペースが最近広まっています。そこでは、来ている人と気軽に意見交換や情報交換ができるんですよ。スペース運営側が主催するイベントなどを通じて知り合った人とチームを組み、新たなビジネスを立ち上げるなど、刺激になる出会いがたくさんありますね」

「ノマドワーキング」。フリーランスなら面白い働き方といえるかもしれないが、会社勤めの身にはなかなか難しいように感じられる。しかし、中谷さんは「そんなことはない」という。

「例えば内勤の仕事でも、仕事後の時間を利用して、会員以外も参加できるコワーキングスペースのイベントに参加すれば、交流の幅を広げられます。仕事で生かせていない自分の得意分野があれば、それを披露してみるのもありですね。その技術を求めている人がいれば、第2のビジネスを始めるきっかけになるかもしれません。仮に仕事につながらなかったとしても、新たなネットワークを形成することは刺激になります。私は会員ではないコワーキングスペースのイベントにも積極的に参加するようにしています」

いわゆる「異業種交流会」とは違うのだろうか?

「利用者は同じ問題意識やテーマを軸に集まっている分、意見を求めあっていることが多く、話が弾みやすいですね。また、会員同士だと顔を合わせる機会が多いため、異業種交流会の出会いよりも長く続く関係を築きやすいと思います」

積極的にあちこち顔を出すことで、職場とは違う自分の価値を再発見できるかもしれない。

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