終末期ケアの看護師がとりまとめた深すぎる言葉

最期に抱く「人生の後悔」TOP5

2012.04.27 FRI


『The Top Five Regrets of the Dying: A Life Transformed by the Dearly Departing. Bronnie Ware』 本書はAmazonでも1621円(2012年4月24日現在)で販売されている
20~30代の方には気の早い話ですが、皆さんは「人生の終幕」について考えたことがあるでしょうか? 長い人生の果てに「死」の影が迫ってきたとき、果たして自分はどのように人生を振り返るだろうかと。

もちろん、なんだかんだあったけど良い人生だったと前向きにお迎えを待ちたいところですが、現実にはそううまくいかない模様。長年オーストラリアで終末期ケアに携わってきた看護師のBronnie Wareさんによれば、死を覚悟した患者さんのほとんどが悔恨や反省の言葉を残すそうです。

彼女は、患者さんたちが死の間際に語る言葉を聴きとり、一冊の本『The Top Five Regrets of the Dying』にまとめました。死を間近にした人たちはいったいどんな言葉を口にするのか? トップ5を見てみると──

◎ I wish I hadn’t worked so hard.
──「あんなに一所懸命働かなくてもよかった」

◎ I wish I’d had the courage to live a life true to myself, not the life others expected of me.
──「自分自身に忠実に生きればよかった」

◎ I wish I’d had the courage to express my feelings.
──「もっと素直に気持ちを表す勇気を持てばよかった」

◎ I wish I had stayed in touch with my friends.
──「友人といい関係を続けていられればよかった」

◎ I wish that I had let myself be happier.
──「自分をもっと幸せにしてあげればよかった」

いかがでしょう? ピンとくるものはありますか? 「最後の晩餐に何食べる?」といった居酒屋トークとはちょっと重みが違いますね。

自分の最期を想像し、そのときになって初めて振り返るであろう後悔のポイントを今から予想するのは容易ではないでしょう。まだ若い20~30代の方ならなおさらです。

ですが、「あんなに一所懸命働かなくてもよかった」とか「友人といい関係を続けていられればよかった」と後悔する人が多いという指摘は、若い人が今後の人生を考える上で、とても示唆に富んでいるのではないでしょうか。

ここで挙げられている後悔のポイントは、いわば多くの人にとって「過ごしてしまいがちな人生」ということ。裏返してみれば、「そんなに一生懸命働かなくても、いい人生は送れる」、「友達といい関係を続けていれば、より良い人生を築ける」ということかもしれません。

少し話は飛びますが、江戸時代に武士のあり方を説いた指南書として有名な『葉隠』に、「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という有名な一節があります。この言葉を、死を美徳とする考えだと解釈している人も多いようですが、訳者である新渡戸稲造は「いつでも死ねるという勇気こそ、正義の中で生きることを保証する」と説明しています。

若い方に「常に自分の死を意識して人生を過ごすべし」と言っても無理があるとは思いますが、道に迷ったときは「もしも明日、人生が終わるとしたら」と考えてみるのも悪くはないかもしれません。自分の人生において、何を大切にしたいのか、ヒントがみつかるかもしれませんよ。
(筒井健二)

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