厚生年金基金の財政難で大ピンチ

20代会社員の「年金」試算

2012.09.20 THU


平均月給30万円、40年間厚生年金に加入した場合、65歳から82歳までに夫婦で受け取れる合計額。いずれのケースも厳しい家計を強いられそう
図版作成/藤田としお
AIJ投資顧問の年金資産消失事件を機に「厚生年金基金」の深刻な財政状況が取りざたされている。厚生年金基金とは公的年金の「厚生年金」と私的年金の「企業年金」をあわせて管理運営する制度。国内576の基金のうち、多くが「赤字」といわれている。こうした状況が続くとサラリーマンの年金にはどんな影響があるのか? 『年金は本当にもらえるのか?』の著者で学習院大学経済学部の鈴木亘教授に伺った。

「自分が所属している厚生年金基金が財政難に陥っても、公的年金である厚生年金は全額保障されます。問題は厚生年金とセットでもらえるはずだった企業年金。基金が破たんして資産がなくなれば、企業年金はゼロになってしまいます」

企業年金の昨年の平均給付額は月7万4000円(企業年金連合会調べ)。これが全額カットとは…。

そして、深刻なのは企業年金だけはない。公的年金である厚生年金も、今のままでは約20年後の2031年に積立金が枯渇する可能性が高いと鈴木教授は予測する。

「積立金が枯渇しても、年金制度を続けること自体は可能です。ただしその際には、保険料がさらに引き上げられるなど、現役世代にますますしわ寄せがいくでしょう」

じつはR25世代が払う保険料と受け取る年金の「収支」はすでにマイナスになることが確定している。鈴木氏の試算では1985年生まれでマイナス1840万円。以降の世代はさらにマイナスが大きくなる。

では、結局のところ我々は将来いくら年金をもらえるのか?

「25歳会社員、平均月収30万円、妻が専業主婦、40年間厚生年金に加入した場合で、65歳から67歳までは月額14万9500円、以後は月額17万5100円です」(鈴木氏)

正直、これで夫婦2人が暮らすのはキツい。しかも、1951年生まれの場合、同じ条件でこれより1000万円近く多くなるとか。老後の資金は自らコツコツ貯めるしかないということか。
(榎並紀行)


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