「新成人」ナビゲーター

20歳過ぎ「進路変更」は手遅れ?

2012.12.26 WED

「新成人」ナビゲーター


選んだ道を後悔する可能性はあるものの、今回話を聞いた“先輩”たちからは飛び込む勇気が必要なことが伝わってくる。みなさんはどんなキャリアを作っていくのだろう イラスト/PIXTA

まだ20歳?もう20歳? 迷ったら思い切ってジャンプ!



大学に入ってから、専攻する学問と将来やりたいことのギャップを感じ、選んだ道に迷いが生じたことはないだろうか?

希望の職業などまだ見えない高校生の段階で、「文系」「理系」の選択を迫られる受験の現実。将来の仕事に関わる分岐点を、数学の得手不得手だけで決めてしまった人はかなり多いはずだ。とはいえ20歳になり、就活というリアルな現実を前にすると、今さら進路変更しようにもなかなか踏み出せない。

しかし、こうしたハードルを乗り越え、夢に向かって「20歳以上で進路変更」した先輩たちもいる。その実情を聞いてみた。

「なんとなく就職に有利というイメージで理系を選びましたが、いざ授業が始まると専攻分野にまったく興味が持てず、早い段階で将来その道に進む選択肢は消えました。そこで2年に上がるときに法学部へ文転。転学後は専門科目の単位を改めて取る必要があり、あやうく留年しかけましたけど、今は公務員になるという新しい目標もできたので結果的にはよかったです」(大学2年時に工学部から法学部へ転学したHさん)

最も大変だったのは転学試験。「大学受験をもう一回やり直すみたいな感じでした」と振り返るように、かなりの猛勉強を要した模様。学部変更自体を認めていない大学もあり、その場合は編入となるためさらにハードルは高くなる。また、Hさんからは「まあ転学したらしたで、結局そこでもギャップを感じたりすることが実はけっこうあります」なんて本音もチラリ。

一方、4年制大学を卒業し一度は企業から内定をもらったものの、夢を捨て切れず専門学校に再入学したケースも。

「とりあえず就職するのか、それとも遠回りして本当にやりたい雑誌編集の仕事を目指すのか。本当に悩みましたが、結局3月の締め切りギリギリに願書を出しました。この先、何十年と働いていくことを考えれば、20代前半の数年の遅れなんて大したことじゃないと思ったんです」(東京ビジュアルアーツ専門学校・マスコミ編集学科の山口尚登さん)

同校には30歳を目前にキャリアチェンジした学生もいるが、彼もまた表情は晴れやか。

「高校卒業後、約10年間製造業の会社に勤めていました。仕事自体に不満はなかったんですが、26歳くらいから記者になりたいと思うようになり、29歳で会社を辞めてこの学校に入りました。30歳手前でもちろん不安もありますし、来年からの就職活動を思うと現実逃避したくなることも正直ありますけど、あのまま会社に残っていたらもっと後悔していたと思います」(同・佐々木幸太郎さん)

当然ながら再入学となると金銭面の負担も軽くない。山口さんの場合は「さすがにこれ以上親に迷惑はかけられないので、奨学金を利用した」という。佐々木さんも「僕の場合は生活費も含め、最低でも300万円程度は必要でした」と語る。

もちろん進路変更したからといって希望の職に就けるとは限らない。むしろ回り道して年齢を重ねることで、就職の際に不利になる可能性もあるだろう。夢を追うなら、それだけのリスクと覚悟も必要だ。

ただ、誤解してほしくないのは、夢を追うだけがカッコいいわけじゃないってこと。現実を受け止めて頑張るのも、ひとつのキャリアだ。いずれにせよ、まだ20歳。後悔しない道に進みたいものだ。
(榎並紀行)

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