NY地下鉄は24時間走っているのに…

電車はなぜ24時間運行にしない?

2012.12.20 THU


一部路線で終夜運転を行っているニューヨーク市地下鉄。ほか、イギリスのマンチェスター空港への連絡鉄道も24時間運行の鉄道として有名だ 画像提供/AFLO
もうすぐ大みそか。カウントダウンイベントや初詣など、いつもと違う一夜を過ごす人も多いはず。終電を気にせず移動できる鉄道の終夜運転ってありがたいですよね。普段から24時間運行だったら助かるのに、なぜ実現しないんだろう。地上を走る電車の騒音問題は想像できるけど…。それならせめて地下鉄だけでもなんとかならない? 都営地下鉄を運営する東京都交通局に聞いた。

「確かに地下は騒音問題がありませんが、運行コストに見合う利用客を確保できるかどうかは不透明です。また、終夜運転を行うための増員も必要になります。さらに、大みそかは例外ですが、通常は深夜に線路や信号・電気設備などの点検・整備を行っています。つまり、終夜運転をするとメンテナンスの時間が確保できないのです」

なるほど…。でも、ニューヨーク市地下鉄は、24時間運行ですよね?

「それは、ニューヨーク市地下鉄が上り・下りの線路を2本ずつ持つ『複々線』だからです。日本の地下鉄と違い、夜間は片方で電車を走らせつつ、もう一方でメンテナンスを行えるんですよ」

と鉄道ジャーナリストの中嶋茂夫さん。ということは、日本の地下鉄も複々線化すれば…?

「線路を増設する前に、トンネルの拡張工事が必要で、膨大なコストがかかります。それに、深夜のニューヨーク市地下鉄が便利かというと、案外そうでもないんですよ。1時間に1本程度と本数が少ないうえ、遅延もしばしば。治安も悪く、防犯のためにタクシーを使う市民も多いのです。だからこそタクシー業界と衝突せずに終夜運行できているのかもしれません。日本では相当の需要がない限り実現は難しいでしょう」(中嶋さん)

莫大な投資をして地下鉄の複々線化を行っても、かかったコストに見合う数のニーズ(乗客数)がなければ難しいというわけ。となると当面、終夜運転の実現の可能性はゼロかぁ…。
(田島里奈/ノオト)


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