初めての「ひとり暮らし」ガイド

「敷金・礼金」のご当地事情

2013.01.21 MON

初めての「ひとり暮らし」ガイド


はじめてのひとり暮らしはわからないことだらけ。ましてや見知らぬ土地で部屋を探すとなるとさらに知らないことは増える。事前にしっかりと情報収集をしておこう 画像提供/PIXTA

「敷金・礼金」の相場やルールは地域によって全然違う!?



部屋を借りる際、月々の家賃とは別に「敷金」や「礼金」といった初期費用がかかるのはご存じだろう。それぞれ家賃数カ月分に相当する額を入居前に払うのだが、実は相場やルールは地域によって異なっている。住みなれた地元から離れて一人暮らしを始める場合、親から聞いていた“常識”と違って戸惑った…なんて先輩もいるようだ。

まず、関東における敷金とは、「借主が家賃を滞納したり、借主の落ち度によって部屋を損耗したりした場合への備え」として預け入れるもの。一般的に家賃1カ月分か2カ月分に設定され、入居者側に落ち度がない限り、退去時に全額返却されるのが原則だ。一方、礼金は文字通り大家への謝礼金という色彩が強い。古くからの慣習だが、最近ではこの礼金をなくして初期費用を軽くする物件も増えている。

これに対し関西では、礼金がない代わりに「保証金・敷引特約」なる独自の慣習が根付いている地域が多い(※京都・滋賀を除く)。保証金は家賃の6~8カ月分に相当し、そのうち約半分は退去時に修繕費用として差し引かれる。つまり、家主に預けた保証金は半分しか返ってこない。これは関東の「敷金」相場のよりだいぶ高いが、その理由は、経年変化による「自然損耗」分も“修繕費用”として保証金から差し引いてきた慣習によるところが大きいようだ。

しかし、そもそも自然損耗は家主負担で修繕するのが原則。その費用は月々の賃料から賄われるべきもの、というのが一般的な解釈であり、こうした特約に疑問を唱える声も少なくない。実際、関西圏では敷引特約を巡る裁判が頻発しており、最近では敷引特約を廃止し、関東流の「敷金礼金制度」に移行するケースも増えている。

ただし、賃貸管理コンサルタントの新井昭光氏によれば「関東の礼金と、最近使われだした関西の礼金は性質が違います。関東では退去時の“原状回復費用”は敷金から差し引かれますが、関西では礼金のなかに原状回復費用が含まれているため、敷金から差し引かれることはありません」とのこと。そのためか、関西の礼金は関東に比べて割高に設定されているようだ。

このほか、「契約更新料」の相場も地域差が大きい。関西では「家賃3カ月分」なんて物件もあり、更新時にかなりまとまったお金が必要になる。貧乏学生には痛い出費なので、一人暮らしを始める際は、たとえば「2年後に15万円必要になる」など、将来の出費も意識しておくことが必要だ。

賃貸契約に関しては、ほかにも地域ごとの“ローカルルール”が根付いているケースが多い。借りる側にとってはややこしいが、ところ変わればルールも変わるということ。後々のトラブルを避けるためにも、見知らぬ土地で部屋を借りる際には、各地域の独自ルールを事前に確認しておこう。

(榎並紀行)

取材協力・関連リンク

関連キーワード

ブレイクフォト