10年後を考える将活(2)

日本の医療費10年後は50兆円に

2013.04.08 MON

10年後を考える将活


高齢者増、医療の進化、精神疾患…



低コストで開発できる新薬「ジェネリック医薬品」が登場して数年が経つ。当初はこの新薬が特許切れの薬品に置き換わることで、「医療費が安くなる」との期待が消費者の間で高まったが、じっさいのところ、医療費は安くなったのだろうか? 

じつは、逆に医療費は右肩上がりで増えている。厚生労働省「医療費の動向調査」によれば、2010年度の国民全体の総医療費は約36兆6000億円。特許切れ医薬品がジェネリック医薬品へと本格的に置き換わり始めた1年後の2011年度は37兆8000億円と1兆円以上も増加。その後も、現在まで右肩上がりで、2025年には50兆円を超えるともいわれている。国民所得に占める医療費の割合も過去最高を更新し続けており、今や所得の10%以上を医療費が占めている状況だ。

これは単に「高齢者が増えたから」というわけではなく、新しい医薬品の開発や治療方法の確立、高度な診断機器の普及にともなう「医療の高度化」によって、診療代そのものが高くなっていることも大きい。現に、1人あたりの医療費は若年層を含む全世帯で増えている。

厚労省もこうした事態を憂慮し、長期入院の是正や生活習慣病の予防対策、医療の効率化といった医療改革を推進。国民所得に占める医療費の割合を10%以内に抑え込む長期計画を立てている。だが、こうした改革が実行されても、2025年の総医療費は48兆円規模まで膨れ上がる見通しだ。

こうした状況をふまえ、これからは国民一人ひとりが、上がり続ける医療費への備えをしておく必要がありそうだ。今は身体的に健康な若い世代もそれは例外ではない。たとえば、いま若いビジネスマンを中心に増えている精神疾患。これも治療にコストがかかる病のひとつだ。

「精神疾患は突然襲ってくる病です。もし、そのまま長期入院ともなれば、非常に高額の費用がかかってしまうこともあります。精神疾患以外にもストレスが原因でかかる病気が多数あります。『自分は大丈夫』などと思わず、溜めこんだ疲れやストレスが爆発する前に、万一に備える保険に入っておくことが大事だと思います。病気になってから保険に加入することは難しいので、元気な時が考え時です。」(「保険クリニック」の本多真美さん)

また、将来の大病に今のうちから備えておくことも重要。特に気をつけるべきなのは三大疾病といわれるがん、脳卒中、心疾患だ。

「特にがんは長生きすればするほど誰でも罹患する可能性が高く、ある年齢以上では日本人の2人に1人がかかる病気といわれています(国立がん研究センター調査)。抗がん剤治療には非常に高い医療費がかかりますし、保険適用内でも1回の薬代に数万円かかってしまいます」(同)

多くのがん保険には「先進医療」の技術料をカバーするオプションがついていることも多い。保険会社によっても異なるが2000万円くらいまでの技術料が保障されるため、加入しておけば安心して高度な治療が受けられるという。

計画的に予算が組める住宅ローンや教育費などと違い、病気にかかる治療費は予測がつかない。それだけに、貯蓄や保険といった準備は万全にしておきたい。

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