10年後を考える将活(4)

老後不安。20代で年金保険加入増

2013.04.22 MON

10年後を考える将活


払い損に備え、動き出す若者たち



年金制度の崩壊が叫ばれて久しい。2011年の調査では、国民年金の未納者は過去最多の約455万人に上るという(厚生労働省「国民年金被保険者実態調査」)。また、サラリーマンが加入する厚生年金基金の積立金も、ここ5年で40兆円近く切り崩されている。2004年の改正で「100年安心」とうたわれた現行の年金制度だが、このままのペースでいけば100年どころか50年ももたずに積立金が枯渇すると見る向きもある。

今後、年金制度を維持していくために、現役世代が負担する保険料がさらに引き上げられることは想像に難くない。若い人にますますしわ寄せがいくことになるわけだが、つらいのは、支払う保険料が高くなっても自分たちが数十年後に受け取る年金額が増えるわけではない点。それどころか、このままでは大きな「払い損」になってしまう可能性すらある。

『年金は本当にもらえるのか?』著者の鈴木亘氏による試算では、現在50歳以下の人は支払う保険料と受け取る年金の「収支」がマイナスになることが確定している。現在40歳の人でマイナス1220万円、20歳ではじつにマイナス2280万円だ。(※40年間厚生年金を支払った夫と専業主婦の妻の合計金額。平均年収750万円、夫82歳、妻88歳まで生きた場合)

今後、国によって何らかの手が打たれたとしても、特に若い世代に広がる年金への不信感を拭うことは難しい。最近ではこうした公的年金への不安から「個人年金保険」に加入する20代30代が増えていると「保険クリニック」の本多真美さんはいう。では、個人年金保険を選ぶ際にはどんなポイントに気をつけて選べばいいのだろうか?

「個人年金保険だけでなく貯蓄を目的とする保険(終身保険・学資保険・養老保険など)全般にいえることですが、実際にかかるコストがどれくらいで、戻ってくるお金がいくらか? を見ることが大切です。個人年金保険の予定利率は下がってきていますが、それでも銀行に預けているよりも利率が良いものがほとんどです。将来のインフレリスクにも対応できるよう、利率固定の商品だけでなく利率変動型の年金保険や変額保険なども検討されるといいでしょう。もう一つ大切なのは“時間を味方にする”ことです。同じ金額を貯めるのならば10年よりも20年、30年と積み立てる期間が長くなるほど少ないコストで貯めることが可能です」(本多さん)

生活保険文化センターの調査によれば、夫婦でゆとりある老後生活を送るために必要な資金は月額36.6万円。実際に公的年金として受け取る平均額は月20.4万円であるため、20年間だと約3900万円の蓄えが余分に必要ということになる。お金がなくて寂しい老後生活を送るハメにならないよう、若いうちからある程度の資産を自ら積み立てておく必要がありそうだ。

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