10年後を考える将活(7)

親が元気なうちに確認すべき事10

2013.05.21 TUE

10年後を考える将活


親の死後、遺族が困ることとは?



今は元気な親も、やがて年老いていく。親にもしものことがあったら…なんて考えたくはないけれど、生前に確認しておかないと後々困ったり、トラブルを招いたりすることもあるだろう。All About「生活トレンド研究所」によれば、「親が亡くなった時に困りそうなこと」のトップは「預貯金をしている銀行や口座がわからない(44.3%)」だった。以下、トップ10には、やはりお金にまつわる事項が目立つ(下記参照)。

1位 預貯金をしている銀行や口座がわからない(44.3%)
2位 死亡を知らせて欲しい人とその連絡先について知らない(39.4%)
3位 どのような保険に入っているかわからない(37.3%)
4位 葬儀関係の希望について把握していない(34.1%)
5位 不動産の登記簿を保管している場所がわからない(30.0%)
6位 生前の公共料金等の処理の仕方がわからない(28.8%)
7位 付き合いのある近所の人や友人の連絡先がわからない(25.9%)
8位 財産や負債の相続についてどうしたら良いかわからない(25.8%)
9位 特に困ることはない(24.3%)
10位 クレジットカード等電子マネーのカード会社やカード番号がわからない(21.6%)

どれも大事なことだが、子どもとはいえ聞きにくいことも多い。どのタイミングでどのように聞き出せばいいのだろうか? 『親が死ぬまでに聞いておきたい45のこと』(中経出版)著者で医師の米山公啓さんに伺った。

「確かに親が生きているうちから『死』について聞くのは不謹慎に感じられ、とくにお金のことを聞くと、財産を狙っているかのように思われるかもしれません。しかし、お金の問題は親の死後、もっとも大きなトラブルになります。遺族が財産で争うのは親も望んでいないでしょう。『相続トラブルでもめないようにするため』と親に説明し、遺言を書面で残しておいてもらいましょう。ただ、ふだんからコミュニケーションを密にしておけば、それとなく聞き出せることも多いです。たとえば、ふだんから仲の良い友人関係などを確認しておけば、死亡を知らせるべき相手も分かります。正月、親に届いた年賀状などを見ながら、この人はどういう関係の人なのか尋ねてみるのでもいいでしょう。また、最近は故人の『遺品の整理』に頭を悩ませる遺族も多いです。故人にとって捨てていいもの、捨ててほしくないものを判断するためにも、親が元気なうちに『大切にしておいてほしいもの』を聞いておくことが望ましいですね」

ただ、それでも盲点になりやすいのが「保険」について。親自身が生命保険に加入していることを忘れてしまっているケースなども少なくないからだ。死亡後に確認する手段はあるのだろうか? 

「まずは『保険証券』や『ご契約内容のお知らせ』『生命保険料控除証明書』といった書類、または預金通帳などから保険料が引かれていないか確認してみましょう。会社員などの場合は、保険料を給与から引き去る『団体扱』にしている契約もあるため、勤務先の保険事務担当者に問い合わせてみるといいでしょう。それでも見当たらない場合は生命保険会社の名前が入ったカレンダーやタオル、ティッシュなどがないか探してみることです」(保険クリニックの本多真美さん)

震災などによる特別な照会制度が設けられる場合を除き、契約照会は基本的に個別の生命保険会社に1社ずつ問い合わせることになるという。まったく手がかりがない場合は、弁護士に依頼して契約照会をしてもらう方法もあるが、費用とある程度の時間がかかってしまう。保険についてもやはり、生前に確認しておくのがベストだ。

財産や借金についても話し合える関係をつくっておくことは「親のためでもある」と米山さん。生前の意思を明確にし、望む通りに対処することは親の財産を守ることになる。折に触れ、コミュニケーションの機会は持っておきたいものだ。

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