日本の未来は大沈没の大躍進

藤巻氏が警鐘「日本は韓国になる」

2013.09.27 FRI


藤巻健史さんの新著『日本大沈没』。暗い時代を乗り切り、明るい未来を迎えるための具体的な資産防衛術が紹介されている。リスクを回避する術を身に着けるヒントと勇気を与えてくれる一冊といえそうだ
毎年多額の赤字国債を発行し、積もり積もった借金は1000兆円に届こうかという日本。「世界一の借金大国」なんて不名誉な称号も今や耳慣れた感があるが、とはいえ国民生活は比較的安定しており、少なくとも我々の生活レベルにおいてはそれほどひっ迫した状況とは思えない。

そんな日本に警鐘を鳴らしているのが、“伝説のトレーダー”として知られる藤巻健史さん。先月出版された新著『日本大沈没』(幻冬舎)の中で、日本が近い将来にたどるかもしれない不吉なシナリオを予見している。

「ここまで累積赤字が蓄積した日本はまさに末期的な状況です。にもかかわらず単年度で44兆円もの赤字を垂れ流している国は世界でも類を見ません。ギリシャよりもよっぽど事態は深刻だと私は思います」

藤巻さんによれば、もはや10%程度の消費税引き上げでは焼け石に水。いずれ財政運営は行き詰まり、その先には悪夢のような未来が待っているという。

「考えられるシナリオは2つ。『財政破たんによる政府機能の閉鎖』もしくは『紙幣増刷によるハイパーインフレ』です。前者の場合は国家機能がマヒし、世の中はパニックに陥ります。国家公務員の給料は出ませんし、地方交付金も止まるでしょうから警察官や消防士、救急車やごみ収集のお金も出ません。東北の復興費用や生活保護もストップでしょうし、もちろん児童手当てもストップです。一方、後者の場合はお金を大量にばらまくことで赤字がチャラになりますが、急激に円の価値が下がってとんでもないインフレになります。汗水たらして10年間で100万円貯めても、タクシー初乗りが100万円になれば1回の乗車で貯金はパーです。大げさに聞こえるかもしれませんが、これは現実に起こりうることです」

では、そうした時代を見据えてどんな対策が必要なのだろうか?

「まずは資産を守ることです。ハイパーインフレになれば円の価値が暴落し、預金は紙くず同然になります。保険として外貨建て資産を購入するなど、財産の一部を海外へ逃がしておく必要があるでしょう。また、今は守るべき資産がない若い世代にとっても他人事ではありません。社会が混乱すれば企業もバタバタつぶれますから仕事を失ってしまうかもしれません。こうした状況が起こりうることを認識し、備えておく必要があるでしょう」

ただ、備えるといっても今から資産を築いたところで焼け石に水だろうし、そもそもそんなドン底を乗り切るモチベーションが湧いてこない…。

「確かに、暗く深い闇の時代を乗り切るのは大変です。ただし、闇を抜けた先には明るい未来が待っていると思ってください。日本が破たんすれば円の価値が暴落し、一気に円安へと転じます。当初は辛いものの、数年すると国際競争力を取り戻し、日本経済は再び大躍進をするでしょう。1997年のアジア通貨危機で地獄を見た韓国がここまで立ち直ったのと同じ道筋ですね。ですから若い方には自暴自棄にならず、明るい未来を信じて苦しい時期を耐え抜いてほしいと思います」

あまり悲観しすぎるのもよくないが、これからの時代はあらゆる事態を想定しリスクを回避する術を身に着ける必要があるのは間違いないようだ。
(榎並紀行)

※この記事は2012年9月に取材・掲載した記事です

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