計画段階から携われる賃貸住宅

コレクティブハウジングとは?

2014.04.06 SUN


UYORI / PIXTA(pixta.jp)
シェアハウスやソーシャルアパートメントなど、居住者たちがいつでも自由に使用できる共用スペースを持つ賃貸物件が増えてきたが、そのひとつにコレクティブハウジングというものがある。これは、居住希望者たちが建物の計画段階から設計などにかかわり、自分たちで快適に暮らせる住居を作っていくのが特徴で、ほかのシェア住宅とは様々な部分で異なるという。コレクティブハウジングの普及・企画・運営支援などを行うNPOコレクティブハウジング社の高田芙美子さんに詳しい内容を伺った。

「『住まい』は豊かな生活を送るうえでとても重要です。だからこそ、駅からの近さや家賃など表面的な条件だけを見て選ぶのではなく、自分たちが『どんな暮らしをしたいか』を考えることが大切。コレクティブハウジングは、そうした考えに基づき、人や地域とのつながりを持ちつつ暮らしていこうという住スタイルなんです」

ハウスづくりを始めるには、「自分の住みたい地域に居住を希望する者」が何人か集まって事業主を探すケースもあれば、事業主が先にコレクティブハウス事業を計画し、その後に居住希望者を募集する場合もある。いずれにせよ、居住希望者はプランニングの段階から参加して、住まいづくりを進めていけるのだ。

「あくまで賃貸住宅ですので、自分の好みを出すばかりではなく『みんなが住みたいと思える空間』を適切な家賃で実現するにはどうすれば良いか、事業主とやり取りしながら専門家の力を借りて検討していきます」(高田さん)

一般的にコレクティブハウジングの物件は、キッチンやトイレ・バスなどを完備した専用住戸に加え、居住者がいつでも自由に使えるリビングやダイニング、キッチンなどの共用スペースがある。その分コストは高くなりそうだが、計画段階から家賃の希望を出し、それに見合った設備などを検討するため、逆にムダが省けてコスト減につながることもあるようだ。また、賃貸住宅なのでライフスタイルの変化による退居や、空室への入居も可能。

さらに、ハウスの運営・管理は居住者たちが行う。居住者組合を作って、自分たちで分担しながら暮らしの質を決めていく。

「例えば電球の交換や共用スペースの掃除などはできる限り自分たちでやって管理費を抑えます。また、暮らしている中で何か課題が出てくれば、大きな問題になる前に居住者同士の定例会などで話し合って解決していきます」(同)

その一方、専用住戸を充実させることで「一人でも快適にいられる空間」を作っている。さらに、一人暮らし用やファミリー用など様々な形態の専用住戸があるのも特徴だ。

「『一緒に生活する』のではなく、高齢者や子育て家族、シングルの男女など、多世代の人がみずから人との距離感を選びながら、ゆるやかにつながっていける暮らしを作っています」(同)

コレクティブハウジング社が運営支援しているハウスでは見学会を開催しており、また、居住希望者向けのオリエンテーションも行われている。興味のある人は、同団体に問い合わせてみるのがいいだろう。
(河合力)

※この記事は2012年4月に取材・掲載した記事です

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