大事な商談、プレゼン前にキリリと痛む…

ストレスが胃にくる人・こない人

2014.05.24 SAT


ストレスが胃にくる人とこない人の違いはどこにあるのだろうか…? 画像提供/PIXTA
過度の緊張や悩み事などストレスがたまると「胃が痛くなる」とはよく聞く話。だが、数ある身体の器官の中で、なぜストレスは胃に表れるのだろうか? 鳥居内科クリニック院長の鳥居明先生に聞いてみた。

「ストレスで胃がダメージを受けるのは、胃と自律神経が密接に関わっているからです。胃は、自律神経の働きかけにより機能するのですが、自律神経は強いストレスを受けるとバランスを崩してしまいます。自律神経が一度バランスを崩すと、そこから指令を受ける胃の働きも正常ではなくなってしまうんですね。結果として、胃の粘膜の抵抗力や胃酸の量が適切でなくなり、胃を傷つけてしまいます」

ちなみに、同じようなストレスにさらされても、胃が痛くなる人とならない人がいるが、両者を分ける要因のひとつも自律神経にあるともいえる。ストレスにより自律神経のバランスが崩れやすい人は胃の不調を感じやすく、バランスが崩れにくい人は不調になりにくいようだ。加えて、こんな要素も影響しているという。

「胃の強さを左右するもうひとつの要素にピロリ菌の存在があります。ピロリ菌は、人間の胃の中に生息する細菌。これが繁殖していると粘膜が傷つけられてしまうため、わずかな自律神経の乱れでも痛みを感じるようになるんですね。つまり、ストレスが胃に表れるかどうかは、自律神経の強さと、胃の中のピロリ菌の有無で決まるといえるでしょう」

ピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの病気を生む要因とされており、感染しているかどうかで、胃の粘膜の抵抗力や胃酸の量は大きく変わる。ピロリ菌がいる人は粘膜の抵抗力が弱く、胃酸の分泌能力も低いようだ。

「ストレスによる胃の痛みはもちろん、胃もたれや消化不良など、胃の不調を少なくするためにはピロリ菌の除菌が有効です。その上で、深呼吸や半身浴などによりリラックスする時間を増やし、自律神経のバランスを保つ努力をしましょう。訓練により胃の能力を高めたり、自律神経を鍛えたりするのは難しいので、常にリラックスした生活を心がけることが大切です」

ピロリ菌の除菌は、抗菌薬を1週間服用するだけで行える。保険の適用は病気により異なるが、今では慢性胃炎でも保険で除菌ができるので、普段から頻繁に胃の不調を感じている人は、一度検査してみてもよいかもしれない。

「筋肉が衰えるのと同様、胃の能力も加齢により衰える」とは鳥居先生。20代半ばを過ぎたら飲みすぎ食べすぎは控え、ストレスのかからない生活をするのが、健康な胃を保つ秘訣ということ。もっともそれが難しいんですけどね…。
(有井太郎)

※この記事は2013年5月に取材・掲載した記事です

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