ホームシアターやビリヤード…

憧れの地下室って作れるの?

2014.07.01 TUE


CYCLONEPROJECT / PIXTA(pixta.jp)
名前こそ知っているものの、日本の一戸建て住宅ではあまり見かけないのが地下室。イメージとしては、楽器の練習をしたりコレクションを並べたりという趣味の部屋のイメージがあるが、実際に地下室を持つ家ではどのような使い方をされているのだろうか?

「趣味の部屋としてはもちろん、2階や3階を作るのと同じような位置づけで、生活エリアとしての地下室を持つ家も多くなっています。2階・3階を作る場合は、斜線の制限などによりどうしても1階の面積より小さくしなければならないのですが、地下室の場合は1階と同じ面積で作ることができますから、広さの面でメリットがあります」

お話しいただいたのは、その名の通り地下室建築を専門に行う株式会社地下室の井上嘉人さん。今まではおまけとして小さな地下室を作る人が多かったが、最近は2階3階と同じ感覚で地下室を作る人が増えているという。

「地上階に比べ、夏は3~7℃涼しく、冬は5~12℃暖かくなるので、地下室は省エネの面でも有効です。また、地下室を作ることで建物の基礎がより深い位置になるので、実は地震の揺れにも強くなるんですよ」(井上さん)

オーソドックスな木造2階建てと比べて、地下室付き2階建てでは揺れが6割ほどに軽減されると考えられているようだ。

ここまで聞くといいことずくめの地下室だが、とはいえやっぱり不安なのは暗さや湿気。この辺りを理由に地下室をためらう人は多そうだが。

「暗さについては、ドライエリアという地下のベランダや天窓を作ることにより解消できます。湿気については、夏場はどうしても湿度が高く、しかも地下室は外気よりグッと温度が下がるため放っておけば結露がおきやすいのは確か。ただ、これも除湿システムや断熱工法などの進歩により、今ではちゃんと防止できますよ」(同)

安全に掘削するための山留め対策や、外部からの浸水や湿気への対策は地下室を作るうえで必須となり、その費用は地下室が小さくても一定額以上発生する。そのため小さい地下室を作る方が坪単価は高くなる傾向にあり、3~4坪だと坪120~170万、15坪ぐらいだと坪80~100万円ほどの費用が相場だ。

では、地下室を作る上での条件や、作るのが難しいケースはあるのだろうか?

「地下水位が高い土地は、あまり作るのに適していないといえますね。完成してしまえばそれほど大きな影響はないのですが、地下を掘る際など、作る過程で湧水が多かったり地盤がゆるかったりするとその対策に費用がかかってしまいます。反対に、川の近くなどで硬すぎる砂利層が浅く存在する場合なども、1.5倍ほどコスト増になるかもしれません」(同)

なお、地下室にお風呂や台所などの水回りを置くのも、水や汚物の汲み上げにコストがかかるためあまり好ましくないとのこと。とはいえ、これらの条件をうまくクリアすれば、快適でしかも省エネと安全性を備えた地下室を手に入れられる。

「贅沢な趣味の部屋」としてだけではなく、快適や省エネ、安全の面からも地下室を検討してみる価値はありそうだ。
(河合力)

※この記事は2011年11月に取材・掲載した記事です

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト