味を科学する!

慶應大学“味の数値化”可能に

2014.07.11 FRI


「この料理もっと酸味があったらなあ…」「もう少し甘さ控えめの方が好みかも…」。初めて入った飲食店で、そんなふうに感じることも多いはず。「しょっぱい」「すっぱい」「苦い」「甘い」など、味の好みは人によりけり。もし、食べる前に自分の好きな味かどうか調べられたら最高だと思いませんか? 

そんな願望を科学の力で実現してしまったのが、慶應大学発のベンチャー企業AISSY(アイシー)。同社が開発した「味覚センサー」を使えば、味の傾向を数値化することができるとか。

「味の数値化」とはいったいどういうことなのか。同社を直撃してみました。

「味覚には塩味・酸味・苦味・旨味・甘味という基本味があり、その組み合わせですべての味を表現しています。味覚センサーはその基本味を1~5で数値化することで、味の傾向を調べることができるんです。数字が高いほど味は強い。例えばポテトチップスは一般的に塩味が4を超えていることが多いですね」(代表取締役・鈴木隆一氏)。

実際、筆者がよく飲む缶コーヒーで検証してみると、糖入りは「甘味3.64/塩味1.03/酸味1.15/苦味1.66/旨味1.43」で甘味の数値が高く、無糖は「甘味1.09/塩味1.14/酸味2.11/苦味3.67/旨味1.15」で苦味の数値が高い。まあ順当な結果といえますが、この数値ってどこまで信ぴょう性があるんでしょうか?

「100人が実際に舌で感じてつけた数値の平均と、センサーが感知した数値はほとんど誤差がありませんでした。ほぼヒトの舌と神経を再現できていると思います。こうしたデータに基づく信ぴょう性の高さが認められ、特許も取得しています」

この数値を使えば、食べ合わせの相性も調べることができるという。

「ファストフードと日本料理を合わせると、前者の強い味が後者の繊細な味を消してしまう。同じくらいの強さの味の方が相性はいいんです。また、違う種類の味を組み合わせると“味の立体感”が楽しめます。例えば「苦味3」のコーヒーには「甘味3」のケーキがよく合うわけです」

今のところ、このセンサーは世界に1台。量産や市販の予定はないが、同社ではセンサーを使い様々な“食品の味”を数値化していくという。レストランのメニューやコンビニの商品に「味の数値」が表記される日も近い?
(榎並紀行/アイドマ・スタジオ)

こちらがヒトの舌と神経を模倣した「味覚センサー」。センサーの電極部分についた膜が味の成分と反応することで、味の種類と強さを解析できるという

※この記事は2011年01月に取材・掲載した記事です

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