身体にまつわる都市伝説 第117回

「人酔い」って本当にあるの?

2014.09.24 WED

身体にまつわる都市伝説


乗り物酔いのように人混みが三半規管に影響を与えるわけではないが、人混みはときに「血管迷走神経反射」を引き起こす可能性がある。これが「人酔い」の正体だった!?
これから秋に向けて、レジャーやショッピングなどに積極的に繰り出したい季節。しかし週末ともなると、「どうも人混みが苦手で…」と尻込みしてしまう人も少なくないだろう。「人酔い」という言葉があるように、混雑のなかに身を置くと具合が悪くなる人もいるようだ。

でも、本当に車酔いのような症状が、人混みによって起こるものなのだろうか? 新宿ライフクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「『人酔い』という医学用語が存在するわけではありませんし、車酔いとは異なりますが、具合が悪くなることはあり得ると思います。人混みに対して強いストレスを感じる人が、『血管迷走神経反射』という症状を引き起こす可能性があるためです。たとえば、通勤途中の女性が貧血を起こして倒れてしまうことがあるのもこの一例で、自律神経の失調により、脳に十分な血液を送ることができなくなってしまうことから起こる症状なんです」

小学生のころ、全校集会で校長先生の長い演説の最中に倒れてしまう女子がたまにいたけど、人酔いもメカニズム的には同じ症状なのだと須田先生は解説する。

「血管迷走神経反射はストレスから起こることが多く、吐き気やめまい、冷や汗などの症状を引き起こします。もし、人混みを歩いていてこのような状態に陥ったときは、少し休憩すれば回復するケースが大半ですので、落ち着いて対処してください」

この血管迷走神経反射は、気温が高いときの方が発症しやすいため、「残暑があるうちは要注意」と須田先生。

「また、人混みに慣れていない方のなかには、ついつい一人ひとりを追視してしまい、物理的に目を回してしまうこともあるでしょう。慣れない人混みへのストレスと相まって、いっそう人酔いを起こす確率は高まるかもしれません」

これもいわゆる「都会の罠」のひとつかも!? くれぐれもご注意を!
(友清 哲)

※この記事は2012年9月に取材・掲載した記事です

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