身体にまつわる都市伝説 第118回

疲れた体には甘いものが効く?

2014.10.02 THU

身体にまつわる都市伝説


糖質はエネルギー効率が優れているのは事実。疲労時の応急処置として、飴やチョコレートなどデスクに常備しておくのもいいかもしれない 写真提供/PIXTA
心身ともに疲労困憊の状態にあるとき、なんとなく甘いものを体が欲する感覚、誰しも覚えがあるだろう。疲れたときには甘いものがいい、というのは昔からよく耳にする話。でも、これには医学的な根拠があるのだろうか? 新宿ライフクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「これはあると思いますよ。糖質は人間にとって直接的なエネルギーになるもの。たんぱく質も、体内で分解されたあとにエネルギーとして使われることはありますが、より効率的に消費されるのは糖質ですから」

人間の体は、様々な栄養素を複合的にエネルギーに変換して消費しているが、なかでも消化吸収されやすく、代謝が早い糖質は、抜群のエネルギー効率を誇るのだと須田先生は解説する。

「“疲労困憊”という状態にも様々あると思いますが、たとえば仮に、エネルギーを消耗して虚脱している状態と定義すると、取り込んですぐにエネルギーになる成分を本能的に欲するのは、自然なことといえます」

つまり、疲れたときに甘いものがほしくなるのは、エネルギーに飢えた体の要求なのだ。

「一方、疲労の質が、激しい頭脳労働を行ったあとのワーキングストレスのようなものであった場合でも、脳にとってのほぼ唯一のエネルギー源はブドウ糖ですから、やはり甘いものを補給するのは必然ともいえますね」

ただし、「疲労」を一概に規定することは難しく、疲労感や倦怠感を生む原因は、必ずしも肉体労働や頭脳労働にかぎらない。たとえば睡眠不足に起因する場合などは、糖質を摂ったからといって必ずしも疲れが癒やされるわけではないと須田先生は語る。

また、糖質を摂り過ぎることで、肥満や生活習慣病のリスクを呼び込むこともある。「疲れた疲れた」とむやみに甘いものに頼るのは禁物だ。
(友清 哲)

※この記事は2012年10月に取材・掲載した記事です

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