冬の訪れを感じるあの言葉

「木枯らし1号」の発表基準とは?

2014.11.14 FRI


紅葉した木々の葉が、一気に舞い落ちるような木枯らしが吹き始めたら、もうすぐ本格的な冬がやってきます 画像提供:かめらん/PIXTA
風が冷たく感じる季節になってきました。毎年この時期になると、気象庁から「木枯らし1号」到来のニュースが発表されます。この知らせを聞くだけで、「いよいよ本格的に冬がやって来たな~」なんて気分になるもの。「木枯らし1号」は、気象庁から発表される情報だけに明確な基準のもと発表されているのかと思っていたのですが、「『肌感覚』というあいまいな基準で決められている」という噂を先日耳にしました。そんなことって本当にあるんですか?

「いいえ、もちろんきちんとした基準を設けていますよ。原則的に『木枯らし1号』とは、10月中旬から11月末日までの期間で、西高東低の冬型の気圧配置のときに最初に吹くおおむね 風速8m以上の北寄りの風のことを指します。1973年頃にこの基準を選定以来、1951年から現在までのデータを記録しています。東京地方の発表は気象庁本庁が、近畿地方については大阪管区気象台が発表しています」

と、教えてくれたのは気象庁•天気相談所所長の田中武夫さん。やはり、ちゃんとした基準によって決められているんですね。肌感覚で決めているというのは根拠のない噂話だったのか…。

「ただ、必ずしもそうとも言い切れないんです。というのも、上記の基準に加えて、“寒くなったと体感できること”も最終的な『木枯らし1号』の判断を下すための必要条件になっているのです。実は、今年の10月の中ごろまでにも上記の基準を満たした北寄りの風が2度吹いたのですが、気温が20度を超えており、体が縮こまってしまうような寒さを感じられなかったため、まだまだ冬の到来を告げるものではないとして、発表が先送りにされたのです」

となると、最近の温暖化の影響から「木枯らし1号」と認定された風が吹く時期も、徐々に後ろ倒しになってきているのでしょうか?

「そう思う方もいるようですが、『温暖化』と『木枯らし1号』の吹く時期に相関関係はないんですよ。東京地方の具体的なデータをあげると、昨年•一昨年には比較的早く、またこれまでの観測記録の中でも数少ない10月の時点で『木枯らし1号』が発表されました。それでいて、厳冬だったとされる2005年の『木枯らし1号』発表は比較的遅い11月12日だったのです。このデータから分かるように、その冬の寒さの度合いと『木枯らし1号』の発生時期の関係を結びつけるのも難しいのです。ですから、『木枯らし1号』の発表は、あくまで冬到来の季節感を知るための生活情報として、認識しておいてほしいですね」

仕事に追われる忙しい毎日を過ごしていても、こうした季節の移ろいを告げるニュースに敏感でいる余裕をもって暮らしたいですよね。

(冨手公嘉/verb)

※この記事は2012年11月に取材・掲載した記事です

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