イギリスでは年内実用化!

血液の寿命推定、その正確性は

2014.12.12 FRI


青い染色体の両端に赤く光って見えるのがテロメア。なお、人は1つの細胞に46本の染色体があるため、テロメアは計92個あることになる 写真提供/東京都健康長寿医療センター研究所
自分の寿命が分かるとしたら、あなたは知りたいと思いますか? なんでもイギリスでは、2011年内にもある血液検査(435ポンド・約5万7000円)を受ければ、寿命を調べることができるようになるんだとか。

検査で寿命が分かるなら苦労しないよ、と思ってしまうくらい、にわかには信じがたいお話。東京都健康長寿医療センター研究所の田久保海誉研究部長に真偽のほどを聞いてみました。

「現在、血液から寿命や将来の健康状態を調べることができるといわれている方法は、数えきれないほどあります。でもそんななか話題になったイギリスの検査は、血液から採取した細胞の染色体にある、『テロメア』という部分から推定する手法なんです。近年、テロメアの長さが寿命とかかわりがあるとか、テロメアを調べることで、将来、病気になりやすいか否かが分かるなどの論文が出ました。さらにテロメアの研究が2年前のノーベル医学賞の受賞タイトルとなったこともあり、いま熱い注目を浴びているんです」

テロメア? 私にはとんと聞きなじみがありませんが、どんなものでしょう?

「テロメアは染色体の両端にあって、染色体が持つ遺伝情報を厳重に守っています。人間が生きている間、細胞が分裂をする度にテロメアは短くなっていきます。一定の長さになると細胞の分裂が止まり、結果として細胞の死に至るのです」

じゃあいまのテロメアの長さから、残りの寿命が推定できる、ということ?

「そんなに簡単なものではありません。テロメアは個人でもどの部位の細胞かによって長さが違ううえ、個人差がとても大きいため、一律に寿命を推定できる、ということはないでしょう」

やっぱり、血液検査によるテロメアの測定だけで、寿命が分かるってことではないんですね。

「とはいえ、テロメアが短くなると、染色体に異常を起こしやすくなり、がんを含めた多くの病気の原因となるので、安心はできません。テロメアを縮めてしまう要因としては、肥満、飲酒、喫煙、紫外線、精神的なストレスなどが挙げられるようです。だからテロメアの長さを測定するのであれば、自分のものが平均より長いか短いかなどを知り、生活習慣を改善して、テロメアが縮まるのを早めない生活をすることが重要です」

なるほど。自分の健康状態を確認して、生活スタイルを見直す手段としては、血液検査を受け、テロメアを確認するのも悪くない、ということなんですね。
(伊藤 裕/GRINGO&Co.)

※この記事は2011年06月に取材・掲載した記事です

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