身体にまつわる都市伝説 第227回

「赤くなるけど酒に強い人」の謎

2014.12.03 WED

身体にまつわる都市伝説


赤くなるのはアルコールの代謝過程で生まれるアセトアルデヒドのしわざ。必ずしも酒に弱い体質を表すバロメーターにはならないが、反応が過剰な場合はご注意 (写真提供/PIXTA)
お酒を飲むと、すぐに顔が赤くなってしまう人とそうでない人がいる。なかにはビールをひとくち飲んだだけで真っ赤になるような人もいるけれど、これは体質的にアルコールに弱いことの表れなのだろうか?

すぐ赤くなる人は先天的にアルコール耐性が弱いのであれば、お酒を勧めるべきではないだろう。でも、なかには真っ赤な顔をして飲み続ける人もいるし、逆に顔色は変わらないのに酔いつぶれてしまう人もいる。はたしてお酒の強さは顔色でわかるものなのか? 新宿ライフクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「お酒を飲んで顔が赤くなるのは、体内に取り込まれたアルコールが代謝される過程で産出される、アセトアルデヒドという物質の毒性によるものです。このアセトアルデヒドは、アセトアルデヒド脱水素酵素によって酢酸に分解され、やがて体外に排出されます。一般的にお酒が強いといわれる人は、こうした代謝の活性が高い人と定義できると思いますから、顔が赤くなるスピードだけでは一概にお酒に弱い体質かどうかは決められません」

たとえば、アルコールの代謝活性が高いがゆえに、体内で迅速にアセトアルデヒドが作り出され、結果としてすぐ顔が赤くなることもあり得る。ただし、例外もあるので注意が必要だ。

「なかには前出のアセトアルデヒド脱水素酵素の活性を失っている人もいます。ごく少量のアルコールで顔が赤くなったり、酔っ払ってしまったりする人はそれに該当する可能性もあり、結果として肝機能障害などのリスクが高まりますから、お酒を飲まないに越したことはありません。そもそもアルコールの分解能力は個人差の大きいものですから、問題とするべきは赤くなるスピードではなく、アルコールの摂取量でしょう」

結論としては、すぐに赤くなる体質ではあっても、それだけではお酒に弱いとは言い切れない。もっとも、アルコール耐性が高かったとしても、飲み過ぎると危険なことに変わりはない。酒席が増えるこれからの季節、お酒に弱い人はもちろん、お酒に強い人でも飲み過ぎには注意しよう。
(友清 哲)

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