家事イケメンのトリセツ

床掃除に革新をもたらしたあの製品

2014.12.17 WED

家事イケメンの トリセツ > 家事イケメンのトリセツ


2011年グッドデザイン賞を受賞したスタイリッシュな本体。ヘッドの厚みは従来品より約40%減。掃除機が入りにくいわずか3cmのすき間にも入る。また、小回りがきく360度回転するヘッドで、片手操作もラクに行える。柄の先端は、壁に立てかけても倒れにくいラバーキャップを採用している

逆転の発想から生まれたクイックルワイパー



「クイックルワイパーのアイデアが生まれた1980年代は、カーペットや畳からフローリングへと住環境が変化し始めた時期。しかし、フローリングはカーペットや畳に比べて綿ぼこりや髪の毛が目立つため、こまめな掃除が必要だったんです。当時は掃除機か雑巾がけしか手段がなく、ちょっとした掃除ができずに大変だったと聞いています」と教えてくれたのは、花王でクイックルワイパーのマーケティングを担当する兵藤和彦さん。

「そんなとき、カーペットに絡まった髪の毛やホコリが、なかなか取れないことに着目した開発者がいました。モップの先にカーペットのようなシートをつければ、立ったまま、から拭きで髪の毛やホコリが取れるのではないか? という逆転の発想から研究を重ねて、誕生したんです」

おむつや生理用品など不織布を扱っていた花王だけあって、髪の毛やホコリを絡ませるミクロ繊維シートの開発は順調に進んだ。しかし、掃除用具である柄やヘッド部分の知見は少なく、満足がいく製品に仕上げるまで、着想から10年近く年もかかったという。

その甲斐もあってクイックルワイパーは、発売直後から大ヒット。汚れに気がついたときにすぐに掃除ができる手軽さや会社から帰った夜に使っても大きな音がしないこと。また、掃除機のように排気によるホコリやチリの巻き上げがないことも評価されて瞬く間にお掃除の定番グッズとなった。

世界初の製品だけに、発売から5〜6年の売り上げは右肩上がり。しかし、格安の類似商品も増えて競争が激化し、停滞した時期が訪れる。

そこで、改めてクイックルワイパーにしかないオリジナルの特長を整理。クイックルワイパーを使うことで、生活にどのような変化と利便性があるかを丁寧に伝える戦略をとった。

「結果的に、2010年頃から売り上げは再び大きく上昇を始めました。ただ、これはマーケティング戦略だけの結果ではありません。クイックルワイパーがもつ品質の高さがしっかりと伝わったからだと思います」

クイックルワイパーは、20年の間に大きく3度の進化を遂げている。最新の製品では、シートを装着するヘッド部分にうず状パターンを採用、また床との接地面にアールをつけて中央部に膨らみを持たせている。従来品ではシートの端の部分に溜まりがちだった髪の毛やホコリを、うずの形状によって中へと巻き込み、全面で絡め取ってくれる。また、クッション効果で床に密着するので、より汚れを捕集する力が高まったという。
シートはドライ、ウエット、ワックスタイプなど、全7種類。ウエットシートは除菌対応。実は、ホコリやチリはカビや菌の温床。掃除機の排気などで舞い上がると吸い込んでしまう恐れも。まずドライシートでホコリを取って、そのあとにウエットシートで吹き上げをすれば、掃除機の使用頻度も抑えられ、節電にもつながる
「シートに関しても、立体吸着のドライシートに加え、発売当時は難しかったウエットシートへの凹凸のある立体構造が採用されています。こちらは、除菌消臭できるタイプやアロマの香りが楽しめるタイプもあり、よりお掃除を手軽で便利に、楽しくしてくれます。ドライシートに関しても、ふわふわの長い毛足によって吸着力をより強化した『ふわふわキャッチャーシート』なども展開しています」

フローリング掃除に大きなイノベーションをもたらしたクイックルワイパー。20年経った今でも他社の追従を許さないその品質は、地道な生活者研究と絶え間ぬ改良に向けた開発力であるといえる。より手軽に、よりキレイにを求めて進化した最新製品で、忙しい毎日でも、少しでもラクに部屋を綺麗に保つ家事イケメンを目指してみてはどうだろう。

取材協力・関連リンク

関連キーワード

ブレイクフォト