最低月収4カ月分の貯蓄は残すべし!

住宅購入 頭金の賢い考え方

2015.01.28 WED


長期的なインフレの場合を除き、頭金をできる限り多く準備することは、安全かつ有利な資金計画のために重要なことです。

例えば、諸費用込みで3000万円の家を買うにしても、頭金が0円、500万円、1000万円の場合で比較してみると、トータルの負担額がかなり違ってくることが分かります。

つまり、頭金を多く準備すると借入金額が少なくなるため、毎月の返済負担が軽くなり、トータルの支払い額も少なくできるのです。

頭金はとにかく1円でも多く入れることが大切となりますが、手元にある預金を全額頭金に充てるのではなく、将来の不測の事態(突然の病気やケガによる入院や、倒産、解雇などによる退職等)を想定して、ある程度は手元に貯蓄を残しておくべきでしょう。

では、手元にいくら置いておけば安心なのでしょうか。

手元に多く残せば、それだけ住宅資金のトータルの負担は重くなりますので、そのバランスを考え、安心できる「ギリギリのライン」の貯蓄だけを残し、あとはできるだけ頭金に充当するようにするのが得策かと思われます。

「ギリギリのライン」の大ざっぱな目安としては、サラリーマン世帯は手取り月収の3、4カ月分、自営業の世帯は手取り月収の6カ月分くらいが安心できる最低ラインと考えておくとよいでしょう。

この目安の根拠としては、サラリーマン世帯の場合、倒産や解雇だと1カ月前後、自己都合退職だと4カ月前後から失業手当(雇用保険の基本手当)が受給できるためです。自己都合退職の場合の支給日数は、勤続10年未満で90日、10年以上20年未満で120日です(倒産や解雇の場合は年齢によって異なりますが、自己都合退職の場合よりも長くなります)。

住宅ローンを組んだ後、突然、会社を辞めてしまったとしても、手取り月収の3、4カ月分の貯蓄があれば、失業手当が出始めるまでの期間の生活費をなんとか捻出できますので、失業手当を受け取っている期間を合わせると、退職後半年以内に再就職先を探せばなんとかなるのではないでしょうか。

一方、自営業者の場合は、通常、失業手当がありませんので、サラリーマンの場合よりも少し長めに半年程度の手取り月収に相当する貯蓄は手元に置いておきたいところです。

なお、これらはあくまでも目安として参考にする程度で十分ですので、あとは個々の家庭の状況に合わせて検討してください。

近い将来、子どもが進学を控えているとか、何らかの出費の予定があるというような場合は、これらの目安とは別に貯蓄を残しておく必要があるでしょうし、逆に、夫婦共働き世帯などでは、片方が退職したからといってすぐには家計が破たんするような状態にはならないはずですので、手元に置く貯蓄は少なめでもいいかもしれません。

やはり重要なのは、将来のライフプランをじっくりと考えたうえで、安全かつ有利な資金計画を練っていくことです。不測の事態に備えた貯蓄とのバランスを考慮し、頭金を多く入れるようにしましょう。
(ファイナンシャルプランナー菱田雅生)

※この記事は2012年06月に取材・掲載した記事です

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