平日は都市部、休日は田舎へ…。

マルチハビテーションって何?

2015.02.11 WED


都会から地方に移り住み、悠々自適の田舎暮らし。都心で忙しく働くサラリーマンのなかには、そんな生活に憧れる人も多いのでは?
「田舎暮らし」なんてお金と時間に余裕があるリタイヤ組だけの特権かと思いきや、最近では現役の頃から都心と地方の両方に住居を構え「平日は都心、休日は田舎」で過ごすライフスタイルが注目されているらしい。

「そうしたスタイルを“マルチハビテーション”といいます。“Multi(マルチ)=多様な”“Habitation(ハビテーション)=住居”を組み合わせた造語。国内外問わず複数の住居をもち、仕事のスケジュールや季節によって滞在先を変えることをいいます」

そう教えてくれたのは、二地域居住やロングステイに関する著書も数多いNPO「交流・暮らしネット」理事の千葉千枝子氏。では、なぜ最近になってそんなライフスタイルが注目されているんでしょうか?

「ひとつには“2007年問題”といわれた団塊世代の大量定年があると思います。定年後の生き方として“田舎暮らし”が注目されるようになった。それが若い世代にも波及していると考えられます。近年は、通信の発達に伴う在宅ワーカーも増え、場所を選ばず仕事ができるようになったことも大きいですね」

そうはいっても、通勤時間や物件購入費を考えると普通のサラリーマンにはハードルが高い。じっさい、現役時代からマルチハビテーションを実践していた林田隆一さん(仮名)にお話を伺ってみた。

「平日は都心の自宅から会社に通勤し、金曜の夜から週末にかけて北軽井沢のセカンドハウスで過ごす。そんな生活を6年ほど続けていました。月曜の朝は北軽井沢から通勤することも多かったです。新幹線なら2時間くらいなので苦ではなかったですね」

なるほど。ただ、軽井沢のような人気別荘地だと、セカンドハウスのお値段もかなりの額になると思うんですが…。

「そうですね、宝クジでも当たらない限り、普通のサラリーマンには難しいかもしれません。ただ、物件にこだわらなければ地方に安いアパートもありますし、苗場や湯沢などバブル期に栄えたリゾート地には中古のマンションが格安で売りに出されています。固定資産税などはかかりますが、例えば独身時代の贅沢としてそうした物件を買ってマルチな生活を楽しみ、結婚して子どもが生まれたら手放すとか。やりようはあると思います」

ただし、ひとつ注意点が。田舎暮らしは想像以上に過酷であり、何より「けっこうヒマ」なんだとか。林田さんの場合、登山という趣味があったため仕事で疲れていても現地へ向かうモチベーションは尽きなかったが、下手をすれば買ったはいいけど、まったく利用せず廃屋と化すなんてことも。

「週末は田舎で癒されたい」なんていう漠然とした憧れだけで始めるのは危険なのかも。
(榎並紀行/アイドマ・スタジオ)

※この記事は2010年12月に取材・掲載した記事です

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト