身体にまつわる都市伝説 第234回

「惚れ薬」は本当に実現できるか?

2015.02.04 WED

身体にまつわる都市伝説


フェロモンや脳内物質の働きを究明すれば、いつか「惚れ薬」が実現するのか…!? しかし残念ながら、倫理的な観点から研究開発が進んでいないのが実情だ (写真提供/PIXTA)
モテたい、というのは人間が持つ根源的な欲求の1つだろう。通販の広告などで、つい“異性を惹きつける香水”に目がいってしまう人は少なくないはず。気になる異性を振り向かせる薬があるなら、是が非でも手に入れたいところだ。

しかし、何らかの薬品や物質によって、相手の恋愛感情をコントロールすることなんて、本当に可能なのだろうか? サイエンスライターの佐藤健太郎さんに聞いてみた。

「動物がフェロモンを繁殖に活用しているのは紛れもない事実ですから、人間にそれに近い物質があっても決して不思議ではありません。たとえば、その有力候補の1つとされているのがアンドロステノンです。この物質が発するニオイは、嗅ぐ人の遺伝子によって、イヤなニオイにもいい香りにも変わることが判明しているんです」

現時点でアンドロステノンに異性を惹きつける効果は確認されていないそうだが、たしかに本能的に好意を持ってもらう要因にはなりえるのかもしれない。

「また、フェロモンとは少し異なりますが、オキシトシンという脳内物質が、人の心を操る働きを持つこともわかっています。スイスの研究チームが行った実験では、オキシトシンを鼻に噴霧された人は投資話などにのりやすくなることが明らかになりました。つまり、信頼を得やすくする作用があるわけです。オキシトシンは愛情や幸福感といった感情にも深く関わることもわかっています」

オキシトシンは、良好な対人関係が築かれているときに分泌される物質らしい。つまり、惚れ薬とまではいかなくても、オキシトシンの力を借りて相手を口説けば、勝算は上がるのかも。

「もっとも、オキシトシンに惚れ薬としての効果があったとしても、倫理的な面から実験は行いにくいですから、はっきり効果を謳えるような製品にはならないでしょう。犯罪などに悪用される可能性もありますし。また、人間はフェロモンを受け取る器官がすでに退化してしまっているという説もあります。フェロモン的なものが人間にあるにせよ、単純に何らかの化合物によって恋愛感情を左右するのは困難でしょう」

たしかに、薬の力で惚れさせようというのも、「悪用」の1つかもしれない。やはり、薬に頼らず男を磨くのが一番だろう。
(友清 哲)

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