身体にまつわる都市伝説 第235回

人間のIQは向上し続けている?

2015.02.11 WED

身体にまつわる都市伝説


魚を食べれば賢くなれるわけではないが、少なくとも脳のコンディショニングには効果が期待できそうだ (写真提供/iLexx / Imasia)
職場や取引先などで、思わずハッとさせられるほど聡明な人に出会うことがある。ビジネスパーソンたるもの、やはり知性は大きな武器だ。少しでも実力アップをはかろうと、語学の習得や資格の取得を目指して勉強を続ける人は多いだろう。

だが、勉強以外のアプローチで頭をよくすることはできないのだろうか。たとえば、かつて流行った歌にもあったように「魚を食べると頭が良くなる」のが事実なら、ぜひ毎日の食卓に取り入れたいところだが…。サイエンスライターの佐藤健太郎さんに聞いてみた。

「魚が頭にいいとされるのは、DHA(ドコサヘキサエン酸)が多く含まれているためでしょう。これはもともと脳にたくさんある脂肪酸のことで、細胞を包む“膜”の材料となる成分です。つまり、脳細胞を包む膜を柔らかく保つことで、神経同士をつながりやすくするなどの効果があるといわれています。ただし、それをもって“頭が良くなる”とはいえないでしょうね」

たしかに、神経同士がつながりやすくなるからといって、賢くなるとは限らない。しかし、世界中で脳の研究が進む今、いずれ「頭をよくすること」に繋がる研究成果が得られる可能性だってあるはず。実際、現代人は年々頭が良くなっていると佐藤さんは解説する。

「これはフリン効果と呼ばれる現象で、人類の知能指数は世界的に上昇傾向にあるんです。ここ100年の間に人類の知能指数は毎年平均0.3ポイントずつ上がっているとのデータも存在しています。これは脳の栄養状態が改善されたことのほか、教育水準の向上、あるいは情報機器などの浸透で日常的に脳トレされていることにも理由があるでしょう」

一方で、エジソンやアインシュタインのような、突出した天才が現れなくなっているとも佐藤さんはいうが、これは「全体の知的レベルが向上したので、飛び抜けた存在が目立ちにくくなっているのかも」とも。

結論として、魚を食べたからといって頭が良くなるわけではないが、脳のパフォーマンスを保つ効果くらいは期待できそう。そのうえで地道に学習を積むことが、知性派への第一歩というわけだ。
(友清 哲)

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