身体にまつわる都市伝説 第192回

“つぼ”が手足に集中するのはなぜ?

2015.03.24 TUE

身体にまつわる都市伝説


古くから伝えられてきた“つぼ”の効果は、西洋医学の後追い研究によっても実証されつつある 写真提供/PIXTA
「足の裏は第2の心臓」とよくいわれる。なぜなら、そこに重要な“つぼ”が多く集まっているとされるからだ。実際、マッサージ店で足の裏を揉んでもらうと、得も言われぬ快感を覚えるもの(苦手な人もいるだろうけど)。

でも、体の中心から最も遠い位置にある足の裏に、こうしてつぼが多く集まっているのはなぜだろう? 日本鍼灸師会の三浦洋理事に聞いてみた。

「つぼというのは、東洋医学で『しゅ穴(けつ)』と呼ばれるものです。東洋医学には、体中に張り巡らされた経脈(けいみゃく)という概念があります。その経脈上には、WHO(世界保健機関)公式会議によっても全361個のつぼが定められているんです。ただし、その361個のつぼが手のひらや足の裏に偏って存在しているかというと、そうではありません。つぼは頭部から胴体、手足まで、まんべんなく配置されています」

つまり、足の裏につぼが集中しているというのは誤解なのだそう。手のひらや足の裏は露出しやすく、マッサージなどで対応しやすい部位であるために専門のマッサージが浸透し、こうした誤解が生じたのではないかと三浦氏は語る。

それにしても、つぼの位置がWHOの公式会議で決められていたとはちょっと驚きだ。正直、西洋医学とは縁遠い、もっと曖昧なものだと思っていたけど…。

「つぼというのは、大昔の人々が経験則によって定め、伝えてきたものですが、近年では医学的な調査が進められているんです。その結果、鍼などで刺激を与えることで、実際に血流や新陳代謝が促されたり、血管を拡張して血圧を下げたりするつぼが多く確認されており、今後もいっそう解明は進んでいくでしょう。そのつぼの専門家と呼べるのが鍼灸師です。鍼灸師になるための国家試験では、つぼの知識も問われます」

そういえば、ソチ五輪で金メダルを獲得した羽生結弦選手も、体質改善に鍼治療を活用したと報じられている。確かな知識を持つ専門家にかかることが大前提だが、東洋医学を上手に取り入れれば、効果的に心身がメンテできるかも。
(友清 哲)

※この記事は2014年3月に取材・掲載した記事です

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