「黒板を引っかく、発泡スチロールが擦れる音」も大嫌い!

「引っかく音」はなぜ不快なのか?

2015.04.13 MON


もしも、嫌いな音の原因がわかったら、その克服法も判明するかも? 黒板を引っかく音が平気になる日がいつかやってくるのかもしれない 写真提供:IBudgetPhoto.com / PIXTA
黒板を爪で引っかく音、発泡スチロールが擦れる音など、個人差はあれど世間一般には“嫌われる音”がある。実際に音が出ていなくとも、音の出る場面を想像するだけで、もう鳥肌が立ちそう! 一体なぜ、この手の音はこんなにも不快に感じるのだろうか?

「音は紀元前から研究されてきましたが、特定の音を不快に感じる原因が何なのか、いまだにハッキリとした答えは出ていません」

というのは、音・人・心研究所の山崎広子氏。甲高い音を不快に感じることが多いので、「人の悲鳴に似ているから」なんて言われることもあるようだが、「脳の聴覚領域は、まだまだ未解明な点が多いので、諸説は推測の範疇」とのこと。山崎氏はこう続ける。

「とはいえ、4000~8000ヘルツの高音域や、協和しない複雑な周波数帯の音を含んでいる『不協和音』を聞くと、脳からストレスホルモンが放出されることは様々な実験でわかっています。今後さらに、脳の聴覚領域と音の認知科学の研究が進めば、不快に感じる原因がわかるかもしれません」(山崎氏、以下同)

こんなにも科学が進歩した世の中なのに、“音”に関しては謎だらけなんて、ちょっと意外。しかし、冒頭で触れた「不快な音を想像するだけで鳥肌が立つ』という現象には、答えが出ているそう。

「ガードレールに金属がこすれる音を想像してみてください。キーッという甲高い音は、車や自転車の事故を想起させます。あるいは、歯を削るときの音は、歯医者が嫌いな人にとって耐え難く不快に感じることでしょう。いずれの音も、自分にとって嫌な行為と関連付けて記憶しているため不快になるのです。これを、“ミラーニューロンの共感作用”といいます」

ミラーニューロンとは文字通り「鏡のような機能を持つ神経細胞」。例えば、黒板を引っかく場面を想像すると、実際にその動作をしているのと同じ反応が脳に生じる。鳥肌が立つのは、脳が“不快さ”を記憶しているためというわけだ。

いつの日か、不快な音の原因も解明する日が来るのだろうか。実はその謎が、人間の声明の謎に大きくかかわる秘密だったりして…?
(中村未来/清談社)

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