身体にまつわる都市伝説 第198回

「迎え酒」って本当に効くの?

2015.06.06 SAT

身体にまつわる都市伝説


「迎え酒」は二日酔い対策にはならない。アルコールがもたらす酔いが二日酔いの症状を紛らわせているだけなのだ 写真提供/PIXTA
社会人になると、歓送迎会のシーズンなどには、お酒の席が続くことが珍しくない。つい調子にのって飲み過ぎてしまい、二日酔いに苦しみながら次の日の飲み会に顔を出し、ガンガンする頭を抱えながらまた乾杯…。

しかし不思議なもので、前日の酒が抜けないまま半ば無理やり飲酒を始めたものの、いざ飲み始めたら二日酔いの症状が徐々に失せ、調子が上がっていくようなことがある。これがいわゆる「迎え酒」というものだが、なぜそんなことが起こるのだろうか? 新宿ライフクリニックの須田隆興先生に、医学的な根拠を聞いてみた。

「迎え酒が二日酔いの症状を解消することは、医学的に考えてありえません。二日酔いとは、アルコールが肝臓で分解された際に発生する、アセトアルデヒドという物質がもたらすもの。しかしこのアセトアルデヒドは、新たにアルコールを摂取することでつくりだされることはあっても、代謝が促進されることはないんです」

では、なぜ迎え酒をすることで、二日酔いの症状が収まることがあるのだろう?

「おそらくはアルコールによる酔いが、二日酔いの症状を凌駕しているに過ぎないのではないでしょうか。アルコールの作用で二日酔いの症状が麻痺させられている、と言い換えてもいいですね。また、翌日の飲み会がスタートする前後で、ギリギリ回復が間に合ったというケースもあるかもしれません。いずれにしても、二日酔いの苦しみを先送りするだけで、根本的な解決にはならないでしょうね」

アルコールをもってアルコールを制す、なんてことはありえない。社会人なら欠席しづらい宴席というのもあるだろうが、やっぱり二日酔いの時は水分をたっぷりとって静養しているのが一番なのだ。
(友清 哲)

※この記事は2014年5月に取材・掲載した記事です

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