レーシックに代わる最新医療

視力回復手術「ICL」って!?

2015.07.09 THU


手術はまず点眼麻酔をして、角膜に小さな切開部分を作る。そこからICLを眼の中に挿入し、虹彩と水晶体の間に固定させる仕組みだ。コンタクトレンズのように異物感もなく、日々のお手入れもいらないという新しい視力矯正手術なのだ
最近、レーシックに代わる新しい視力回復手術が注目を集めている。「ICL(アイシーエル)手術」と呼ばれ、「インプラントで視力を矯正する」のだとか。いったいどんな手術なのか?

「ICL手術とは、簡単に言えばメガネやコンタクトと同じ働きをするICLという小さな視力矯正レンズを、眼の中に移植するという手術です」

そう教えてくれたのは、眼科スターアイクリニックの大野建治先生。でもレンズを眼の中に移植するなんて怖そうだけど…。

「レンズを移植するのは、眼の中の黒目(虹彩)と水晶体の間。黒目の裏に固定するため外からレンズが見えることもありませんし、ズレたりする心配もほとんどありません。手術は、まず点眼麻酔をしてから角膜を約3mm切開し、その部分から小さく折りたたんだレンズを眼内に挿入します」

いかにも複雑な手術のように聞こえるが、施術時間はわずか10分程度。眼への負担も少ないため、日帰り手術が可能なのだという。では、レーシックとはどんなところが違うのだろう?

「レーシックは、レーザーを使って角膜を削ることで屈折の補正を行い、視力を回復させる手術。そのため、もともと角膜が薄い人には不向きでした。しかし、ICLは角膜が薄い場合にも手術可能であり、レーシックでは満足に視力が回復できなかった強度の近視でも治療できます。また、レーシックでは手術後に不具合が生じても元どおりの状態に戻すことができません。その点ICL手術は、手術結果に満足できない場合に一度移植したレンズを取り出すことが可能だという利点があります」

角膜の形が変化しないことにより、ほかにも「ドライアイになりにくい」、「夜間でもレーシックより視界がクリア」などの特徴があるICL手術。レンズは人体組織に近い特殊素材を用いているため異物として認識されにくく、長期間眼内に入れておくことが可能だ。一度手術をした後は定期的な検診を受けていれば特別なメンテナンスは必要ないという。まさにいいことずくめに感じるICL手術だが、リスクやデメリットはないのだろうか?

「ICL手術の費用は、目安として両眼で約80万円。レーシックの3~4倍ですから、価格面ではまだハードルが高いと思います。軽度の近視であればレーシックで十分回復できるので、どちらの手術が自分に適しているかよく医師と相談した方がいいです。また、ICL手術はごく稀にレンズと水晶体が干渉し、白内障を誘発することがあります。その場合、いったんレンズを取り外して白内障の治療をすることで対応できますが、そういったトラブルを避けるためにも、信頼できる医師を見つけることも大切です」

どんな手術でもリスクは付き物だが、ICL手術が視力回復手術の新たな選択肢であることは間違いない。今後、どこまで普及が進むのか注目される。
(池田香織/verb)

※この記事は2013年7月に取材・掲載した記事です

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