血行促進、疲労回復…メリットも色々あるけど

精子が減る?サウナ功罪で医師激論

2015.07.12 SUN


「60℃ほどの低温サウナは心臓に負担をかけずに血管を拡張できるため、心不全(心臓のポンプとしての働きが低下して全身の臓器に必要な血液量を送ることができなくなる疾患)の治療に使えないか期待されています」(前田先生) 画像提供:charly/PIXTA(ピクスタ)
“オジサンが通うもの”というイメージがあったサウナだが、ここ数年、20~30代の若い男性の間でも流行りつつあるという。周りでも「身体にいいし、はまっています!」なんて人がちらほら…。でも、「実はサウナは身体に悪い」なんて噂を聞くことも。うーん、いったいどっちが正しいの? それぞれの主張を裏付ける理由を、医師に聞いてみた。

まずサウナの利点について話してくれたのは、日本サウナ・スパ協会の理事を務める前田眞治医師。サウナにはどんな効果があるのでしょうか?

「サウナは正しく入れば、血行促進や疲労回復、免疫機能アップなどの効果があります。熱気を感じることや発汗などの効果が組み合わさって、美肌になったり、肩こりや腰痛が軽減されたりすることも。ただ、これはあくまで『正しい入り方』をした時の話です」(前田先生)

では、正しい入り方を教えてください!

「サウナの入浴時間は、10~15分程度で充分。15分以上入ると、体温が上がりすぎて発汗が追い付かなくなり、かえって疲労してしまいます。発汗の仕方は個人差もあり、その時の体調にもよるので、発汗の度合いを入浴時間の目安にするのはやめましょう」

たしかに、汗があまり出ない時は、「もう少し入っていようか」と長居してしまう人もいるだろう。ほかに気を付けることはありますか?

「サウナが健康面でプラスに作用するのは、上がった体温を元に戻すために呼吸回数が増えたり発汗したり…といった反応が起きることによります。体調が悪いときに入浴しても期待されるような反応を身体が示さず、効果を感じられないことも…。サウナの効果を一番感じやすいのは、空腹でも満腹でもなく、極端に疲れたり興奮したりもしていないフラットな状態の時です」

サウナはコンディションの良いときに利用してこそ、効果が期待できるのですね。

一方、サウナは「身体に悪い面もある」と指摘するのは、泌尿器科医の小堀善友医師だ。

「サウナが心身ともにリラックスできる方法のひとつであることはわかっているのですが、男性不妊症の専門医の立場からはオススメできません。サウナの熱は良好な精子を作り出す機能に悪影響を及ぼすからです」

…というと?

「2013年、欧州の学会誌にサウナが精子に与える影響について実験・解析したデータが掲載されました。精液検査で正常だった10人の男性に、週2回80~90度のサウナに15分間入ってもらう実験を3カ月間続けたところ、実験開始時と比べて、精子数と運動率が低下したというのです」

なんと! サウナ好きの人ならもっと長く&高い頻度で入っているかも…。これまで“サウナ三昧”だった男性はどうすれば…?

「先ほどの実験では、精子を作り出す命令を出す下垂体ホルモンや、男性ホルモンには変化が認められませんでした。その後の研究でも、サウナをやめて6カ月経つと、サウナによって悪くなったデータはすべて正常に戻っています。子どもを望む人は、しばらくサウナを断ってみると良いかしれません」(小堀先生)

サウナ好きの皆さん、両者の指摘を参考に、サウナとの付き合い方を見直してみては?
(田島里奈/ノオト)

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