ビール1位は札幌、焼酎1位は宮崎…

日本の「酒好き県」総合1位は?

2015.08.24 MON


「地元愛の強い新潟では、上越の酒屋には上越の日本酒のみ、下越の酒屋には下越の日本酒のみなど、徹底的に地元銘柄を揃えるのが常。コンビニでも他県の日本酒ではなく、地元銘柄を取り揃えている所が多いんですよ」(川上さん)
俗に「薩摩隼人は酒豪が多い」とか「土佐っ子は酒好き」とか、お酒にまつわる土地柄や県民性を耳にすることがある。ほかにも「酒好き」を自認する地域は日本各地にあるが、「日本一酒好きな都道府県」といったらどこだろうか? 総務省の「家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング」(2012~2014年の平均)から、「酒類」の年間支出額を調べてみた。

■酒類に対する年間支出金額TOP10
1位 新潟県新潟市 5万4478円
2位 岩手県盛岡市 5万2853円
3位 秋田県秋田市 5万1648円
4位 宮城県仙台市 5万989円
5位 高知県高知市 5万894円
6位 青森県青森市 4万9463円
7位 広島県広島市 4万8052円
8位 山口県山口市 4万7297円
9位 東京都区部 4万7252円
10位 山形県山形市 4万6649円

全国平均の4万1558円を大幅に上回る支出額でトップに輝いたのは新潟県。その理由について、NPO法人・料飲専門家団体連合会研究室長の長田卓さんは次のように語る。

「新潟県で消費されるお酒といえば、やはり日本酒。新潟は日本酒の蔵元数が96に上り、全国でもっとも多い県なんです。『久保田』『八海山』のように、世界的に有名な日本酒を造っている蔵元のほか、上越、中越、下越、佐渡など、それぞれの地域に根ざした小さな蔵元も多く、それを愛飲する地元愛の強さが消費量の多い最大の理由ではないでしょうか」

新潟県の日本酒は、「淡麗辛口」と呼ばれるスッキリとした味わいが特徴。新潟県の特産品として、お中元やお歳暮などのギフトに選ぶ人も多いそう。また、雪国である新潟では冬になると体が温まる燗酒の需要が増えること、淡麗辛口の日本酒と相性がよい新鮮な海の幸・山の幸が身近にあることも、日本酒消費が多い理由なのだとか。

実際、上記の調査をお酒の種類別に見てみると、新潟県は「清酒」部門で1万1966円(全国平均6057円)とトップ。新潟の「酒好き日本一」の称号は、地元愛からなる日本酒文化によって支えられているようだ。

しかし、日本酒以外にもお酒の種類は様々。日本酒の消費量が多いことで「酒類全般」では新潟がトップになったものの、焼酎、ビール、発泡酒など種類別にみると、トップの県は別の顔ぶれになる。以下、長田さんの考察とあわせて紹介しよう。

■焼酎(年間支出額)
1位 宮崎県宮崎市 1万5278円(全国平均6701円)
「国内で最も大きい焼酎メーカーである霧島酒造(芋焼酎『黒霧島』など)、雲海酒造(蕎麦焼酎『雲海』など)を擁することが大きな理由。また、“焼酎王国”九州のなかでも宮崎県は、芋、蕎麦、その他穀物類などバラエティに富んだ焼酎が存在することもポイントでしょう」

■ビール(年間支出額)
1位 北海道札幌市 1万6038円(全国平均1万1743円)
「地元サッポロビールを愛する住民が多いことが理由のひとつ。また、札幌市は“ビールの街”として街おこしを行っており、道内に多数ある見学可能なビール工場直送・直営の店が札幌市内に数多くあることも影響しています。この他、札幌では冬に暖房を強くかけて薄着で過ごす人が多いことから、冬でも喉越しの良いビールが好まれるのも一因では?」

■発泡酒・ビール風アルコール飲料(年間支出額)
1位 高知県高知市 1万9691円(全国平均9459円)
「酒豪が多い高知県ですが、県民所得が国内最低であることも影響してか、安い発泡酒系飲料を選択する人が多いようです。また、高知はお酒を飲んでは注ぎ返す“返杯”などの飲酒文化が昔から根付いている県でもあることも理由でしょう」

それにしても、「酒類(全体)」ランキングをみると、東北6県のうち5県がTOP10入りするなど、東北の「酒好き」ぶりが目立つ。ほか、高知県や山口県も含め、やはり「北国と南国」は酒好きが多いんでしょうかね…?
(有栖川匠)

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