身体にまつわる都市伝説 第252回

Wi-Fiは生殖機能に悪影響?

2015.08.24 MON

身体にまつわる都市伝説


Wi-Fiなどの電波は、即不妊につながるわけではない。しかし、精子の運動率の低下が認められている以上、多少の用心は必要かも…? (写真提供/naka / PIXTA)
ノートパソコンやタブレットの普及により、“デスクワーク”が必ずしもオフィスで行うものではなくなって久しい。最近は都市部を中心に、Wi-Fi完備のカフェなども増えており、ノマドワーカーにとっては着々と快適な環境が整いつつある。

しかし、かねて根強く噂されるのが、こうしたWi-Fiなどの電波が人体にあたえる影響だ。とくに男子諸君にとって気になるのが、Wi-Fiは精巣に悪影響を及ぼし、生殖機能を低下させるという都市伝説。事実なら、これは非常に切実な問題だ。仕事をするうえで、今さら携帯電話やWi-Fiの利用をやめるのは難しいが、将来は子供を儲けたい気持ちもある。果たして、この都市伝説の真偽は…!?

「これは専門家の間で、長年にわたり議論され続けている問題です。実際に、電子機器が精子の活動にどのような影響があるのかを調査する実験も行われており、Wi-Fi使用中の端末との距離により、その運動率が変化することが確認されているんですよ」

そう語るのは、『本当にあった医学論文』などの著書を持つ医師の倉原優先生。実験の詳細は次の通りだ。

「この実験では29人の健康な男性から採取した精子を検体に用い、一方はWi-Fiに接続したパソコンから3cmの距離に置いて電磁波を4時間照射、もう一方はパソコンのない部屋に置いて、両方の精子の生存率や運動率を比較しています。その結果、生存率についてはいずれも差がつかなかったものの、パソコンのそばに置かれた精子の運動率は68.7%、パソコンのない部屋に置かれた精子の運動率は80.9%と、明確な差が見られたそうなのです」

つまり、電車の中などでたまに見かけるような、膝の上にノートパソコンを置いて作業することは、精子の運動率を低下させることにつながる可能性が高いわけだ。

倉原先生によれば、これはWi-Fiの電波が男性不妊につながることを証明するものではなく、あくまで精子の運動率への影響を示すデータであるというが、少なくともノートパソコンやタブレットは、なるべく生殖器のそばで操作しないよう心がけた方がいいのかもしれない。
(友清 哲)

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