“生き様”に共感する女子急増でブーム到来?

観る、知る、食べる!?「苔」の魅力

2015.09.03 THU


高い再生力などの性質から“悠久”を連想させる苔は、縁結びの象徴とされることもある。彼女と苔を眺めながら、永遠の愛を誓うのもロマンチックかも。ちなみに「苔ガールステイ」は男性も利用可能だ 画像提供/星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
近年、若い女性を中心にボタニカル(植物)ブームが巻き起こっているが、なかでも注目されているのが“苔”。青森にある星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルでは、“苔玉”づくりや苔鑑賞が楽しめる「苔ガールステイ」というプランがスタートし、20~40代の女性を中心に人気を集めているそうだ。

苔ブームが始まったきっかけは、どこにあったのだろうか。星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルの広報担当者に聞いた。

「『苔ガールステイ』を始めたのは2013年ですが、同年に日本鮮苔類(せんたいるい)学会によって奥入瀬が“日本の貴重なコケの森”に選定され、苔の美しさが認識されたことがきっかけだと思います。特に女性からの注目度が高く、ルーペで観察しなければいけないほどの小ささや、水滴でキラキラ輝く様子が好まれていますね」

数年前の山ガールブームの頃から、徐々に世の中のボタニカル熱が高まっていたこともあり、知られざる美しい自然として注目を集めたのだろう。ちなみに、日本全体で約1800種類の苔が発見されており、奥入瀬には約300種が生息しているそう。訪れる客も増えているという。

「ホテルでは、自然の中に生息している苔を観察する『苔さんぽ』というアクティビティを用意しているのですが、昨年の同じ時期と比べて参加者が約2倍に増えています。奥入瀬の森は、岩しかなかった深い谷に苔が生育し、苔によってやわらかくなった地面が植物の種を受け止めてできていったものなんです。健気で粘り強く、長い年月をかけて森を支えた苔の生き方に、感銘を受ける方も多いですね」

「苔ガールステイ」では、「苔しずくディナー」も人気。しかし、これはお造りの隣に苔そっくりのハーブが添えられるなど苔に見立てた料理が並ぶもので、実際に苔が食べられるわけではない。ただ、青々とした苔を想像すると、食べられそうな気も…。

調べてみると、日本で苔が食用とされることはほとんどないが、北欧では食べられることもあるようだ。アイスランドでは苔を煮出して、お茶やスープとして飲み、ロシアではミズゴケを使った即席食品やパンが開発されているという。ただし、あまりおいしくはないそう。味ではなく薬効を期待して、用いられているのだ。

残念ながら(?)国内では観賞用の苔だが、「家で楽しむには苔玉が手軽」と広報担当者は言う。日当たりのいい場所に置き、1日1回霧吹きで水をあげて、3日に1回水にさらせば、青々とした姿を保つそうだ。

夏場は青みが増し、秋には花が咲く苔は、一年を通して楽しめる植物。チェックしておけば、気になるあの子との会話のネタになるかもしれないぞ。
(有竹亮介/verb)

取材協力・関連リンク

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト