身体にまつわる都市伝説 第257回

ゲシュタルト崩壊は疲労のサイン?

2015.10.28 WED

身体にまつわる都市伝説


ゲシュタルト崩壊は、特定のものを眺めている間に、脳内の映像処理のルートが変わって発生する現象らしい (写真提供/elwynn / PIXTA)
スマホやパソコンが手放せない現代人。おまけに睡眠不足や残業による疲労が重なると、目がかすんでくることもしばしば…。疲れ目にムチを打って画面に向き合っていると、見慣れているはずの文字が、なにやら不可解な図形に見えてくることがある。いわゆる、「ゲシュタルト崩壊」というやつだ。

最初のうちは面白がっていたこの現象も、たびたび起こると深刻な過労を表すサインだったりするのだろうかと不安になる。今のところすぐ元に戻るので問題はないけれど、もしも文字が読めない状態が続いたら一大事だ。ゲシュタルト崩壊とはそもそも一体何なのか。脳研究者であり医学博士の加藤俊徳先生に聞いてみた。

「ゲシュタルト崩壊とは知覚認知上、本来はまとまった構造として意味を持っている文字が、個々の構成要素に分解されて認識し直されてしまう現象です」

たとえば「体」という文字はにんべんと「本」の組み合わせでひとつの文字を形成し、我々はそれを自然に「体」というまとまりで認知し、意味を読み取る。ところが脳の誤作動で構成要素がバラバラになり、意味を認識できなくなるというのが、ゲシュタルト崩壊のメカニズムだという。では、ゲシュタルト崩壊が起こる原因は何だろう? 

「ゲシュタルト崩壊は、必ずしも脳の疲労や疲れ目などが原因とはかぎりません。まだまだ未解明な部分を多く残していますが、現時点では脳内で映像を処理するプロセスが、物を見ている間に変化したために起こる、という仮説で説明されています。つまり、ひとつの文字を眺め続けている間に、使用している脳番地(同じような働きをする脳細胞の集まり)の場所や組み合わせが変わり、脳内の映像処理のルートが変わってしまったために起こるわけですね」

少なくとも、健康な状態でも起こりうる現象なので、即健康面を気にする必要はなさそう。もっとも、日頃から目や脳に疲労がたまっていいことなどないから、小まめなリフレッシュを心がけるべきではあるのだが。
(友清 哲)

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