手を動かして発見することが大事

数学を「体験」して学ぶ理数教室

2015.11.11 WED

格好いいパパに!オトコの子育て道場


授業で使う教材を見せてもらいました。先生の「サッカーボール作って」という無茶振りにも応える子供たち。オモチャ感覚で組み上げていきます
子供のころから、いや大人になってもなお「数学は何の役に立つのか」という疑問を抱いている人は多いのではないでしょうか。

東京と神奈川で運営する『トゥルース・アカデミー』は、数学を「体験」して学ぶことができる子供向けの教室。1989年に学習塾として始まった同教室が、ブロックやロボットなど使った理数・科学教室としてリニューアルしたのは2000年10月のこと。

「受験のために勉強をするのは、学び本来の楽しさを奪っているのではないかと感じたんです。そこでたどり着いたのが、マサチューセッツ工科大学メディアラボのシーモア・パパート教授による『コンストラクショニズム』という学習理論。知識は教師が与えるのものではなく、子供が自ら手を動かして発見するもの、という考え方です」(トゥルース・アカデミー代表取締役 中島晃芳さん)

今回取材したカリキュラム「リトル・ダヴィンチ理数教室」もその理論をもとに作られたもの。学習塾とは違って計算問題などはほぼ行わず、教材を使った体験学習を通して算数や科学の考え方を学ぶ授業がメインです。幼稚園年中から~小学3年生まで学年ごとにコースが用意され、年間の受講者は350人ほど。

例えば幼稚園生のコースでは、カエルの人形の数を見積もったり、数が描かれた円盤の上をジャンプしたり、身体を動かすことで算数を楽しく学びます。教室で使う教材はベルギーやイスラエルのものなど多数あり、「やり直しがしやすく、試行錯誤ができるもの」が教材を選ぶポイントなのだとか。

取材に訪れた飯田橋校で行われていたのは、小学2年生と小学3年生のコース。教室は生徒6人までの少人数制で、この日は1クラス2~3人の子供たちが参加。これから勉強する、という雰囲気ではなく、友だちの家に遊びに来たようにリラックスしておしゃべりをしていました。

2年生は四則演算をカードゲームで学びます。子供たちは警察と泥棒にわかれ、ボード上の駒を動かして鬼ごっこをするというルール。ボードと手元のカードには数字が書かれていて、2つの数字を四則演算した答えの数だけ駒が動かせます。足し算にするか、引き算にするか、答えがわからないと戦略が立てられません。「これじゃ捕まっちゃう」「わかった!2は引いたらいいんだよ」とワイワイ。最後は「どうやったら勝てたのか?」を振り返ります。

3年生は角度の学習。分度器や三角定規の使いかたをおさらいした後は、三角形が作る角度に注目。内角をすべて足すと180度になる、という発見をしたら、実際に三角形の形に紙を切って貼りあわせてみます。平面図形の基本を身につけたら、この先の授業では子供向けのプログラミング言語を使って図形を描きます。

「ネット時代のいま、知識は検索したら出てくるため、丸暗記に頼らずに情報を分析・考察できることが大切。正解が1つに限らない『オープンエンド』な問題について考える力を養うようにしています」(中島さん)

卒業生はほぼ100%理系に進学し、東大や早稲田、国立高専に進んだ子もいるそう。科学は実験を通して体験をすることができますが、数学の場合は体験で学ぶのが難しいもの。選びぬかれた教材を使い、手を動かして体で覚えれば、成長しても忘れない経験になるのかもしれませんね。
(井上マサキ)

■育て!子供の「理系脳」 第4回

  • カードゲーム「けいどろ」。カードに書かれた数字を計算して、答えの数だけ駒を進めます。掛け算すると遠くまでいけるけど、相手の駒に捕まってしまうし…など、悩ましい

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