実はガラパゴスだった、衣類についてるあのマーク【家事イケメンのトリセツ】

間違いやすいのはドコ? 新・洗たく絵表示の注意点

2016.12.01 THU

家事イケメンの トリセツ
衣類の内側についている洗たく表示のラベル。この洗たく表示のアイコンが2016年12月から一新されたことをご存じだろうか? といっても、正確には12月1日以降に製造される衣服から変更されるので、流通が始まるのは春先頃から。なんと、約50年ぶりの大変更で、新たに追加された内容もあるらしい。今のうちに、詳しく知っておきたいということで、今回の表示変更にも携わり、花王のハウスホールド研究所で30年間洗たく分野の研究一筋の山田勲さんに話を伺った。 基本の記号は写真の5種類で、タグの左から「洗たくのしかた」「漂白のしかた」「乾燥のしかた」「アイロンのかけ方」「クリーニングの種類」が表示されている。
基本の記号は写真の5種類で、タグの左から「洗たくのしかた」「漂白のしかた」「乾燥のしかた」「アイロンのかけ方」「クリーニングの種類」が表示されている。
山田さんによると、今回の洗たく表示変更の一因には「衣類の製造や流通がグローバル化したことで、洗たく表示マークも国際標準に合わせる必要があった」とのこと。実は現在の洗たく表示は日本が独自に制定したもので、JIS規格(日本工業規格)で定められたもの。しかし今後は、ISO(国際標準化機構)の規格を取り入れて制定した新JIS規格の洗たく表示を使うことになったのだ。

●推奨表示から上限表示に。正しく洗わないと衣類が傷むかも

「まず、知っておいてほしいことは、表示の意味合い自体が変わったことです」と山田さん。えっ! それって、どういう意味ですか?

「現行の洗たく表示は、“この方法で洗たくするのがよい”という推奨でした。しかし、新しい洗たく表示は、“回復不可能な損傷を起こさない最も厳しい処理・操作に関する情報を提供する”とされています。つまり、洗たく表示以上のハードな洗い方をしてしまうと、衣類にダメージを与えてしまうということなんです。また、衣類を製造するメーカーには、試験などを行うことで洗たく表示に根拠をもち、責任をもって最も適切な記号を表示することとなりました。そういった部分でも、新しい洗たく表示は、これまで以上に厳格なものといえるでしょう」

では、表示がどのように変わるのか、具体的に確認していこう。

洗たくの仕方でまず見るべきポイントは、タライの表示に×マークがついているかどうか。もし×マークがついていたら、家庭では洗えないのでクリーニングに出そう。×がついていなければ、家庭での洗たくが可能だ。

タライのなかの数字は洗たく温度を、マークの下の横線は弱めに洗うという意味。横線2本だとさらに弱く洗う必要がある。マイナスと覚えるとわかりやすいかもしれない。ただし、日本の洗たく機では、横線1本までは普通洗い(標準・おまかせ)コースでOK。横線2本と手洗いマークは、「エマール」などのおしゃれ着用洗剤を使って、デリケート(手洗い・ドライ)コースなどで洗うことができる。

●漂白剤マークに×がついていたら、漂白剤入り洗剤にも注意

漂白のしかたは、フラスコから三角マークに変更。さらに、従来の塩素系漂白剤のみを表す記号から、酸素系漂白剤も含まれる記号が追加された。塩素系の漂白剤は白物の漂白に強く色柄物は色落ちしてしまうが、酸素系の漂白剤は色落ちはせず、色柄物にも使える。

注意したいのは三角に×マークの漂白剤が使えない表示。この場合は、漂白剤入りの洗たく洗剤もNGなので、使っている洗剤に漂白剤が配合されているかのチェックを忘れずに!


●「自然乾燥」の表示は日本の要望で採用

「乾燥のしかた」は大幅に変更。家庭用洗たく乾燥機の普及にともない、タンブル乾燥(ドラム式衣類乾燥機)が追加された。衣類乾燥機が使用できない衣類には×マークがつく。衣類乾燥機が使える場合は、丸の中の「・」の数をチェック。点2つは最高80度の高温乾燥ができ、点1つは最高60度の低温乾燥という意味だ。

「自然乾燥」の表示は大幅に簡略化。そもそも、ISOの洗濯表示には自然乾燥の項目はなかったが、日本からの要望で追加されたのだとか。

表示は「つり干し」と「平干し」に分かれる。四角のなかに縦線はつり干し、横線は平干しとなる。線が2本になれば、脱水をせずに濡れた状態で干すことを示す。また、斜線が入ると「陰干し」を表している。例えば、縦線2本と斜線の場合は、「脱水せず濡れた状態で日陰につり干し」となる。

アイロンの表示は、漢字が廃止。新記号では、温度を「・」で表し、数が増えるほど高温で使用できる。

また、クリーニング向けの表示では、これまでの「ドライクリーニング」表示に加えて「ウェットクリーニング」の表示が加わった。これは、クリーニング店が確認する洗たく表示なので、家庭での洗たくで気にする必要はないだろう。

そのほか、洗たくネットや中性洗剤、アイロン時の当て布の使用など記号だけでは伝えられない情報は、「付記用語」として簡単な言葉で書かれるようになった。

●絵表示をスマホで簡単判定! 洗たくの仕方がわかる役立ちアプリ

以上が新しい洗たく表示の注意点だが、長年見慣れてきたマークの変更とあって、覚えるまでは混乱してしまうだろう。

そこでオススメしたいのが、無料のスマホアプリ「洗濯ナビ」だ。新しい洗たく表示タグを選択すると、洗い方を判定してくれる。また、判定結果に適した洗剤や柔軟剤なども提案してくれる賢いアプリだ。

これまで洗たく表示はあまり見ていなかったという人は、衣類を大事にするためにも、今後はしっかりと確認する必要があるかも。これを機会に、衣類に応じた洗たくテクを身につけてみては?

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