利用者は独身男性だけじゃない

カフェ併設、IoT導入…コインランドリーは増加の一途!?

2016.12.04 SUN


ひとりでは面倒な洗濯もこれからはコインランドリーにおまかせ…な時代なのかもしれない
写真提供/cba / PIXTA(ピクスタ)
11月、九州のコインランドリー店として人気のWASHハウスが東証マザーズに上場、初日からストップ高を記録したことが話題となった。コインランドリーといえば、かつては家に洗濯機のない学生や独身者が使う場所というイメージが強かったが、現在では清潔感や使いやすさをアピールする企業が増え、主婦層や共働き世帯の利用もメジャーになっている。カフェ併設や畳む作業の代行など、様々な付加サービスも登場しているコインランドリーの現状を調べた。

「コインランドリーの利用者は男性単身客がメインというのは、コインランドリー事業が始まった当時のイメージです」

と語るのは、全国コインランドリー連合会加盟店として、コインランドリーの経営のほか、開業調査、機器の販売やリース、修理・点検・保守管理などを行っている株式会社コインテクニカルの長瀬昭子氏だ。

現在、コインランドリーの利用層は老若男女様々だという。通常の洗濯乾燥機に加え、大型の洗濯機や乾燥機、布団やスニーカーを洗うことができる洗濯機などの登場で、機械のバリエーションが豊富になったことが、利用層を広げた理由のひとつだ。特に、自宅での洗濯が難しい、大型の布製品を洗う場合の利用が目立つという。また、コインランドリーの業務用洗濯機・乾燥機は家庭用と違い、短時間での洗濯・乾燥が可能なため、時間を節約したい共働き夫婦や自分の時間を大切にする現代のライフスタイルにマッチングしているそうだ。自宅に洗濯機があっても利用する人が多く、「自宅とランドリーを上手に使い分け」している印象があるという。

●カフェスペース併設! 待ち時間が快適時間に

それに加えて、最近では、店舗にカフェスペースを設置しているコインランドリーも見られるようになった。東京都府中市にあるECO WASH CAFEは、自動販売機を設置したカフェコーナーを、ゆったりと休憩しやすい空間にしている。そのほかには、待合スペースをカフェ風の内装にしたり、実際に飲食物を提供するカフェを併設したりする企業もある。長瀬氏によれば、こういったサービスの提供には店舗の広さが必要なため、郊外型の店舗展開が多いという。コインランドリーには待ち時間がつきものだが、居心地の良い空間であれば、読書などをしながら有意義に過ごせそうだ。

●IT機器搭載で効率化! メールで終了お知らせ

それでも待つ時間がもったいないという人には、洗濯の終了メールが届くサービスを提供しているコインランドリーもある。IT機器搭載の洗濯機を導入している店舗では、洗濯機の空き状況を事前に確認したり、自分がしている洗濯の終了メールを受け取ったりすることができるのだ。これなら、洗濯をしている間に外出して用事を済ませることもできそうだ。

●もはやクリーニング!? 畳むまでの代行サービス

加えて、現在では洗濯から畳む作業までを代行する企業も登場している。ランドリーバッグなどに洗濯物を入れて預ければ、洗濯を終え、畳んだ状態で返してくれるサービスだ。例えば、WASH&FOLDは、指定のランドリーバッグに洗濯物を詰めて宅配業者に渡すと、洗濯を終えて畳み終えたものを、ランドリーバッグに入れて返してくれるというサービスを提供している。洗い上がりを待つ時間だけではなく、畳む時間も省略できるということだ。

実際に、コインランドリーの施設数は右肩上がりを続けている。厚生労働省の調査によれば、全国のコインランドリー数は1996年の1万228軒から、2013年は1万6693軒と増加中。店舗数が増えた原因を長瀬氏は「建築バブルの影響で、不動産業者やデベロッパー、不動産仲介業者、管理会社などが、空いている物件をコインランドリーにするようになったからではないか」と指摘している。それによって、全体数が押し上げられたのだろうということだ。

コインランドリーは、開店時の設備投資が飲食店やショップよりも少なく抑えられる。そのため、不動産業者が建築予定時から建造物内にコインランドリーを設置する計画を立てることもあれば、テナントが決まらない空間をコインランドリーにすることもあるそうだ。

店舗数が増えるということは、競争も激しくなりそう。長瀬氏は「特に関東に関しては、店舗が増えることで利用者の取り合いが起こるため、店舗ごとの売上の減少が予測されます」と話す。その結果、店舗が淘汰され、管理の行き届いた利用しやすい店舗が残っていくのではないかということだ。

「洗濯機がないときに使うもの」というイメージの強いコインランドリーだが、大量の洗濯物を短時間で洗濯・乾燥したり、布団など自宅の洗濯機では洗えないものを洗うことができたりと、用途は広がっている。家事の効率化や清潔さを求めて利用してみると、新しい魅力に出会えそうだ。

(飯田 樹)

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