日中韓で92カ所のズレが判明

効く「ツボ」の位置はどの国が正しいのか?

2005.02.10 THU

ツボの位置は、日本と中国と韓国で微妙に違っているという話を知っているだろうか。「ツボ」とはもちろん、マッサージや鍼灸治療などで使われる身体の「経穴(けいけつ)」、つまりあのツボのことだ。ただし『北斗の拳』でケンシロウがあたたた…と突く「秘孔」とは少し違うので誤解しないように。

新聞報道によると、もともとツボは80年代に世界保健機関(WHO)によって計361カ所の名称が統一されていたという。しかし、欧米で東洋医学の関心が高まり普及し始めたのを受け、国際基準をもうけようと昨年3月から日中韓の専門家が集まってツボの位置を調べたところ、361個のツボのうち、92個が3カ国でずれていることが判明。その後中国の古い文献などに沿ってすりあわせが行われたが、まだ44個のツボの位置が合意できておらず、うち15カ所はまったく違う位置だったというのだ。

なぜこんな事態が生じたのか。理由としては、昔は解剖学の知識がなかったこと、日本が14世紀の文献で研究してきたのに対し、中国は10、11世紀の文献を根拠としているなどがあるという。でもそれより気になるのは、じゃあ本当はどのツボの位置が正しいのかってことである。

実際に臨床に立つ針灸師さんたちによると、その答えはこういうことらしい。正しいツボの位置など本質的には存在しない。逆説的には、どのツボも正しい。治療を受ける側として考えれば、こちらがツボの効能を実感することでしか正しいか正しくないかなんて判断できないはずだからだ。

東洋医学では、人間の身体には「気」が流れる「経路(けいらく)」があるとされるが、解剖学的には経路など存在せず、ツボそのものも科学的に解明されたものではない。ツボとは、同じ人でもその日の体調によって効く箇所が変わるくらいの微妙なものなのだ。もしツボの位置に諸説があるとすれば、おそらくそれは、治療する側が長年にわたって研究と工夫を重ねたひとつの成果なのかもしれない。

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