「デブは伝染する」ってホントに??

米国で表面化しつつある「肥満と社会環境」の関係とは?

2007.08.30 THU



写真提供/AFLO
「肥満は伝染する!?」といったような見出しで始まる、かなり衝撃的なニュースが、つい最近話題となった。ハーバード大学の研究により、肥満の友人がいる人は、いない人に比べ肥満になる可能性が57%高まることがわかったというのだ。

これだけの情報だと、つい「友人は選ばないとなぁ」って方向に頭が向いてしまうかもしれない。実際、国内で出回ったニュースも要約版だったため、「友人が太っていると自分も安心する」という心理的側面が強く印象に残ってしまったようだ。

しかし、発表の内容をよく読むと心理的側面に加え、肥満を招く要因に“社会的な関係”が深く関与している可能性も指摘されていることがわかる。

「肥満と社会環境」といわれても…日本人にはピンとこないかもしれない。しかし米国では、これまで個人的な問題として片付けてきた肥満の原因を、社会構造から解明しようという試みが活発化しているのだ。

たとえば。米国の肥満史に取り組む、グレイグ・クライツァーの著書『デブの帝国』(バジリコ出版)によると、米国に肥満がまん延し出したのは意外と最近で、80年代以降のこと。70年代初頭に米国を襲ったインフレと食料不足対策として、時の政府が導入を奨励した高果糖コーンシロップとパーム油により“安くて美味しい高カロリーな”ファストフードや冷凍食品が劇的に普及。その結果、国民の肥満化が加速した、というのだ。さらに、貧富差の拡大にともない「周辺に安全に運動できる公園や施設がない」「食べ物や余暇の過ごし方の選択肢が狭められる」などの理由で、特に貧困層に肥満が集中し始めるという、これまでの常識から考えるとある種の逆転現象となる状況におちいっている、とも指摘している。

格差社会が進行中といわれる現在の日本でも、対岸の火事ではないこの問題。メタボが気になる、という人は自分のお腹とともに、社会にも目を向けてみる必要があるのかもしれない。


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