毎朝お世話になっています

今年で110周年!目ざまし時計の進化の歴史

2009.09.08 TUE


国産第1号の目ざまし時計。100年以上前に作られたものだがニッケルメッキが施されているだけあってさびていない。さすが日本製!
朝が弱い人にとって、欠かせないのが目ざまし時計。最近はケータイのアラーム機能を使う人も増えているそうだが、 優しい音では起きられない人にとってはまだまだ手放せない存在だ。

そんな目ざまし時計の国産第1号が登場したのは意外に古く、1899年(明治32年)に服部時計店(現・セイコーホールディングス)が発売した。その名もそのまま「目ざまし時計」。セイコークロック業務本部長の土井一朗さんは、目ざまし時計開発の経緯を次のように語ってくれた。

「明治維新以降、わが国にはアメリカ製やドイツ製の目ざまし時計が輸入されるようになっていました。ところが、湿度の低い欧米で作られた目ざまし時計はすべて鉄製で、湿気の多い日本で使うとすぐにさびてしまう。そこで、セイコーの創業者である服部金太郎らが、『もっと品質のいい目ざまし時計を国産で作ろう』と思い立ち、鉄がさびないようにニッケルメッキを施して、独自の目ざまし時計を開発したと聞いています」

とはいえ、その当時の目ざまし時計はとても高価で、購入したのは一部の裕福な人たちだけ。一般家庭が買える代物ではなかった。

目ざまし時計が一般家庭にまで普及したのは、第二次大戦後のこと。その契機となったのが、セイコーが1952年(昭和27年)に発売した「コメットフラワー」という名のプラスチック製目ざまし時計だ。民放初のテレビCM(ニワトリが時計のネジを巻くアニメーション)に使われたことでも話題となり、これが爆発的に売れた。以後、一般家庭に「朝は目ざまし時計のベル音で目ざめる」というライフスタイルが浸透していくことになる。

1976年(昭和51年)にセイコーが世界初のクオーツ式目ざまし時計を発売。その際、リンリン!というベル音が一般的だった目ざまし時計に、ピピピピピ!という電子音が加わった。

さらに1984年(昭和59年)には、『ピラミッドトーク』という時刻を声でお知らせするピラミッド型の目ざまし時計と、電子音の代わりに爆発音やラッパ音を使った『音声合成目ざまし時計』が大ヒットする。特に音声合成目ざまし時計は、90年代に人気を博したミッキーマウスやドラえもんのキャラクター時計(キャラクターの声で人を起こす)の原型となるモデルだった。

21世紀の今日、目ざまし時計の主流はデジタルに移行している。かつては安物というイメージがつきまとい人気がなかったが、電波時計の仕組みを取り入れることで、正確な時計として再び注目されている。

「電波時計は、送信局からの電波を受信して時刻を自動的に修正し、誤差は10万年に1秒という、きわめて正確な時計です。ただ、時刻を自動修正する場合、アナログだと機構が複雑になり、目ざまし時計としては高価なものになります。その点、デジタルはすべて電子式なのでコスト的にも有利。発売後10年を経過しますが、1秒の誤差もなくアラームが鳴り出すという目ざまし時計として今や主役になっています」(土井さん)

国産初の目ざまし時計が誕生して、今年で110周年。自ら時を刻みながら、着実に目ざまし時計は進化していたんですね。

関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト