生命保険はボクらを守ってくれるの?

第18回 保険を見直すきっかけってどんなとき?

2009.10.26 MON

生命保険はボクらを守ってくれるの?


現在入っている保険は、あくまで“今の自分”に合っているもの。家族構成が変わったり、守るべき家族が増えると保険の見直しが必要かも…

母親の入院を機に共済から医療保険に切り替える



保険は一度入ったらそれで生涯安心…だと楽でいいんですが、現実はそれほど簡単にはいきません。結婚や子供の誕生、転職などのライフステージの変化で必要な保障が変わってくるので、それに合わせて保険を見直す必要があります。でも、いざ保険を見直そうと思っても、なかなか踏ん切りがつかないもの。そこで、今回は実際に保険を見直した方にインタビューを行い、きっかけを聞いてみました。

都内の経営コンサルティング会社に勤務する野口さん(仮名・27歳・独身)は、昨年、共済からネット生保の医療保険に切り替えたのですが、きっかけは母親が急病で入院したことだったそうです。

「それまで入っていたのは、死亡保障500万円の共済です。実は自分で選んで入ったのではなく、大学時代に父が契約してくれたものでした。毎月の保険料も出してもらっていたので、いつかは自分で保険に入ろうと思っていたのですが、就職してもそのきっかけがなかなかつかめなくて…。そんなとき、母が病気で入院。幸い、母は医療保険に入っていたので、経済的にずいぶん助かりました。そこで、自分も医療保険に入ることにしました」(野口さん)

実は野口さんの仕事は、かなりのハードワーク。スケジュールはすべて顧客に合わせなければならないので、必然的に労働時間が長くなります。いくらまだ若いとはいえ、この状態が続けば体が心配…。漠然とそう思っていたところに、母親の入院という事態が重なり、その当時入っていた共済を見直すことになったとのことです。

「勤め先で団体生命保険に入っているし、まだ独身なので、死亡保障は最初から求めませんでした。自分に必要なのは、やはり病気になったときの備え。そこで、ネットで調べて納得いくまで検討した結果、ネット生保のシンプルな医療保険に入りました。その保険に決めたのは、保障がシンプルでわかりやすく、加入した当時は保険料が最も安かったからです」(同)

ちなみに、加入した医療保険の入院給付金は1日1万円で、毎月の保険料は2700円。入院給付金を1日1万円にしたのは、母親が入院したときの経験で、そのくらいが妥当だと考えたからだそうです。また、毎月の保険料を出してもらって心苦しかった共済も、医療保険加入時に解約したとのことでした。

「今後もし保険を見直すとすれば、自分が結婚するときでしょう。そのときは1000万から2000万円の死亡保険に入るつもり。さらに子供ができたら、保障額を2倍くらいに引き上げるんじゃないかな。どちらの場合でも、保険は掛け捨てにして、最もコストパフォーマンスの高い商品を選びますね。今回いろいろ勉強した結果、貯蓄と保険はまったく別物だと考えた方がよさそうなので」(同)

野口さんのケースでは、身近な人の入院が自分の保険を見直すきっかけでした。入社して数年しか経っていない場合、野口さんのように親が入ってくれた保険にそのまま加入し続けているケースが多いかもしれませんが、今入っている保険が本当に自分の必要な保障をカバーしているのか、一度確認した方がよさそうです。

お客さんの死をきっかけに掛け捨て保険のメリットに気づく



独身者の場合、保険を考えるときの中心はあくまで自分。そのため、死亡保障はほとんど考慮せず、自分が入院したときのために保険に入る傾向が強いようです。一方、結婚後は家族のために保険に入るようになります。では、家族のために保険を見直すきっかけとは、どんなときなんでしょうか?

証券会社に勤務する藤本さん(仮名・35歳・既婚・子供1人)は、お客さんの死をきっかけに、保険を見直すようになったそうです。

「昨年の夏、私と同い年のお客様が心筋梗塞で亡くなりました。身近な同い年の人が亡くなるというのは、自分の死を想像してしまってショックでしたね。遺された有価証券の相続には私も立ち会いましたが、その際、ご遺族が最もお困りだったのは、当座の生活に使える現金がほとんどなかったこと。まとまった資産があっても、相続が完了するまで、資産は凍結されてしまうんですね。そのお客様は生命保険に入っていなかったので、奥様は途方に暮れていました。その姿を見て、私も自分の保険を見直そうと思ったのです」(藤本さん)

その時点で藤本さんが入っていたのは、貯蓄性の高い終身保険。死亡保障は1000万円で、60歳まで保険料を払い続ければ、払った額とほぼ同額の解約返戻金が下りる商品です。藤本さんは仕事柄、様々な金融商品を運用しており、保険もその一部としか考えていませんでした。ところが、身近な人の死を目の当たりにして、保険の本当の価値に気づいたのだといいます。

「死亡保険の最大のメリットは、資産の相続手続きとは関係なく、申請すればすみやかに保険金が支払われること。遺族にとっては本当にありがたいお金であり、私も子供が成人するまでは、家族のために少なくとも3000万円の死亡保険金を遺してやりたいと思うようになりました」(同)

そこで藤本さんは、従来からの終身保険に加えて、2000万円の死亡保障を新たに追加した。貯蓄性の高い保険では保険料が高く、家計を圧迫してしまうので、今回は掛け捨ての死亡保険(20年定期)を選択。それまで「掛け捨ての保険は損だ」と敬遠していた藤本さんですが、いざというときにすぐに使える2000万円という保険金が受け取れるなら、掛け捨てもリーズナブルだと考えるようになったといいます。

保険に詳しい社会保険労務士の佐藤さん(仮名・36歳・既婚・子供2人)も、掛け捨ての死亡保険を昨年新たに追加しています。きっかけは、長男が小学5年生になり、学費の負担をリアルに感じられるようになったからだそうです。

「それまでは月20万円の収入保障保険、1000万円の死亡保険、入院日額1万円の医療保険に入っていました。わが国は公的年金が整備されているので、これだけで保障は十分だと考えていたんです。でも、子供たちの進学時期が実際に迫ってくると、これだけでは不安だと思うようになって…。私は幼いころに父を亡くしたので、大学進学をあきらめざるを得なかった。子供たちには、そんな経験をさせたくないんですよね。そこで、下の子が22歳になるまでの15年間だけ、私の死亡保障を1500万円厚くすることにしたのです」(佐藤さん)
必要な保障が明確になれば、おのずと必要な保険もはっきりしてくる。家族に必要な保障をもう一度見直してみてはいかが
「保険選びで重要なのは保険に入る目的を明確にしておくこと」だと佐藤さんはいいます。佐藤さん自身も、「死亡保障を15年間だけ厚くしたい」というはっきりした目的があったからこそ、死亡保障額を一定期間だけリーズナブルに手厚くできる掛け捨て保険という選択ができたのです。

保険は一生モノといいますが、結婚や子供の誕生などライフステージの変化に応じて、あるいは保険に対する考え方が変わったのを契機に、自分の保険を改めて見直してみる。これもひとつの賢い保険選びだといえそうです。 これまでは、「結婚して家庭を持ったら生命保険に入らなきゃ」と漠然と思っていました。ライフステージが変化すれば、必要な保障も当然変わってきますから。

でも今回取材してみて、保険を見直すタイミングは、そんなに画一的なものではないと気づきました。身近な人の入院や死を経験したとき、あるいは子供の進学をある日突然実感したときなど、人生の様々な場面で保険について深く考えるきっかけがあるみたいです。

そして深く考えた結果、今必要な保険が見えてきたら、万が一のことが起こる前に即座に行動を起こすべき。「善は急げ」ということわざは、保険にとっても真実なのだと思いました。

次回は「保険の切り替え時に妻をどう説得する?」についてレポートします。ご期待ください。

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