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その歴史を振り返りつつチベット問題をおさらい

2008.04.24 THU

連日報道されるチベット情勢だが、そもそもどうしてもめているの? ジャーナリストの池上彰さんへの取材をもとに、問題の基本をおさらいしてみた。

もともとチベットは長い間「国家」という概念を持たず、20世紀初頭まで独立宣言こそしなかったものの、チベット仏教の最高指導者である歴代ダライ・ラマを中心にした実質的な「独立国」だった。

チベットに転換期が訪れたのは49年。同年に成立した中華人民共和国はチベット「解放」を宣言し派兵。51年には軍事力を背景にチベットを中国の一部に編入した。一方で、ダライ・ラマ14世はチベットから亡命し、59年にインドで亡命政府を樹立している。

それから約50年。チベットが抱える問題は多い。信仰の自由など、チベット人の基本的な人権が保たれていないこと。中国人移民の急増により、チベット独自の文化が失われていくこと。乱開発による環境破壊など…。国際社会から多くの非難が集まっているが、中国はこれを「内政」の問題としている。また、ダライ・ラマ14世は、自らの要求を「独立」ではなく信仰の自由などを認める「高度な自治」に譲歩。中国との対話を求め、一時は交渉をしたこともあるが、現在の中国政府はダライ・ラマ14世を「分裂主義者」と考え、交渉は打ち切られている。

北京五輪を前に、世界中から注目が集まるチベット情勢。まずは両者の間に話し合いの場が持たれるかどうかがポイントとなりそうだ。

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