不動産のプロ談「家賃交渉、ムダな場合が多い」

“優良賃貸物件”に出合う確率を上げる方法

2016.09.04 SUN

お得にスマートに… マネー得々大学院



写真:xiangtao / PIXTA(ピクスタ)
家計に大きな影響を与える出費のひとつといえば、「家賃」。次の引っ越し時は、少しでも家賃を抑えたいと考えている人もいるのでは? そんな時、家賃交渉で物件を安く借りるコツはないだろうか。

「長く空いていて借り手がいない物件なら、家賃交渉に応じる可能性は確かにあります。場合によりますが、3~6カ月程度空いている都内の物件なら、ワンルームは家賃の3000~5000円、ファミリータイプは1万円程度が交渉額として適当でしょう」

こう教えてくれたのは、居住用賃貸物件の仲介を手掛けるアエラスの鈴木彰さん。しかし、その反面、家賃交渉できる物件を探すこと自体は、あまり勧められないという。

「そもそも、家賃は賃貸物件のスペックやエリアを考慮して熟慮を重ねて決まるので、相場から大きく外れることは少ない状態です。そのため、安易に家賃を下げると大家さん側のコストと見合わず、値下げ交渉をしてうまくいくケースは稀なのです」

さらに、家賃交渉を行うタイミングは申し込みの時になるが、交渉付きの申し込みの場合、大家からの返答に数日かかることもあり、その間にほかの人が借りてしまう可能性も。「これらのリスクを負ってまで交渉するよりは、物件の価値よりも賃料が安く設定されている『優良賃貸物件』と出合う確率を上げる方が得策でしょう」と鈴木さんは語る。

■優良物件と出合うためには?


では、価値が高い“優良物件”と出合うためにはどうしたらいいのだろうか。不動産屋へ行く前の下準備から、具体的な質問の仕方まで教えてもらった。

「まずは、判断基準となる“家賃の相場感”を身につけましょう。場所(都内なら2~3駅分)、平米数、間取り、種別(アパートorマンション)、階数など、細かく設定し、ネットで希望条件の物件を検索します。基本的だと思うでしょうが、これを生半可に行うと、無駄足になる可能性が大いにあります」

基礎固めが終わったら、次のポイントは不動産屋で担当してくれる営業スタッフの見極めだ。

「実は、賃貸として出回っている物件はどの不動産会社でも扱っています。ですから、希望の物件に出合えるかどうかは、営業スタッフの力量次第という面が大きいのです。スタッフの優秀さを測るためには、『このあたりの相場はどのくらいですか?』と聞いて、即答できるかどうかがひとつの基準。賃貸は比較的経験の浅いスタッフが担当する傾向がありますが、即座に答えられたり、補足情報を加えて返してくれたりするようであれば、良いスタッフといえます」

これに加え、コミュニケーションがきちんと取れるかどうかも大切なポイント。自分の希望に合う物件を正確に出してくれるかどうか20~30分話してみて、『この人は信頼できる』と思ったら、その会社で3~4時間かけてでも物件を探した方がよいという。では、この時どんな物件を出してもらったら、優良物件に出合う確率を上げられるのか?

「優良物件は、継ぎ目なく借り手が見つかるものです。そのため、図面にリフォーム中と書いてあったり、『●月入居可能』と書いてあったりするなど、“募集を開始してから日が浅い物件”を見せてもらいましょう。ただし、いつから入居者がいないかわからない場合がほとんどなので、担当者に『この物件はいつから空いていますか?』と素直に聞くことをオススメします」

即断即決が優良物件をつかみとる


ところで、そんな“出物”を確保するなら、引っ越す数カ月前から、不動産会社に「良い物件があったら教えてください」と根回ししておくのは効果的なのではないだろうか?

「私の主観ですが、そう言って良い物件を決められた人はほとんどいません。『まだ他にもあるのでは』と、いつまでたっても決められないからです。良い物件をつかむのは、即断即決の人が多いですね」

どうしてもその場で決められない人は、2回で決めることを心がけよう。

「まずはお店のカウンターで1日使ってください。営業スタッフと相談しながら図面を出してもらい、3~4件まで絞りましょう。次は日を改めて、その絞った物件を一気に内見してまわります。あまり間が空いてしまうとなくなっている物件があるかもしれませんが、間を開けることで頭の中が整理される利点もあります。ちなみに、不動産屋へ行くタイミングは、時期を問わず営業スタッフの手が比較的空いている平日の午前中がベストです」

労力に対して実現性の低い家賃交渉に力を入れるくらいなら、“優良物件”を探すことに力を注ぐ…。結局は急がば回れ、ということなのだろう。

(南澤悠佳/ノオト)

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