若手は高給、中高年は競争激化の時代へ突入か

給料=感謝の量!? 僕らの“給与アップ”の鍵は?

2017.02.21 TUE

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人口が減少していくなか、現状の給与水準の維持は困難になっていくという。安定した企業にぶら下がるより、知識や経験、人脈で世の中を渡り歩く力を養うことが重要だ
写真:MaCC / PIXTA(ピクスタ)
平成28年の大卒の平均初任給は、前年比0.7%増の20万3400円(厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査」)。初任給は2000年以降、わずかずつではあるが上昇を続けている。しかし、一般労働者全体の賃金を見ると、平成13年の30万5800円をピークにほぼ同水準で推移。平成27年は30万4000円と前年よりは上昇したもののピークは超えていない。

ひと昔前は、年齢とともに収入が上がる“年功序列”が当たり前だったが、“成果主義”へシフトしているというし、少子高齢化で国内市場が先細りし、世界経済の雲行きも怪しい。今の新社会人は、ベテランになっても給与がなかなか上がらない…なんて苦境に立たされる可能性はあるのだろうか? 雇用環境に詳しい、秋田県立大学の渡部昌平准教授に聞いた。

「残念ながら、年齢とともに上昇カーブを描くような給料形態は望めません。ただし、専門職に就いている人の給料は別の話。現在は正社員を厳選し、簡単な仕事は非正規社員に任せる傾向がより顕著になっており、非正規社員の割合も増加しています。そのため、専門職のニーズはより高まり、卓越した技術を持つベテランほど高給を得られる可能性が高まります。一方で、酷な言い方になってしまいますが、“誰にでもできる仕事”だと給料はなかなか上がりにくいものと思われます」

■「若手=高給」「中高年=成果主義」の構造へ

さらに、専門性を磨いて正規雇用の椅子を得たとしても、社内の競争は厳しさを増していくと渡部氏は予測する。特に中高年を迎える頃に、よりシビアな成果主義が待っているという。

「どの企業も若手の育成に頭を悩ませています。今後はさらに労働人口が減り、優秀な若手の奪い合いが激化するでしょう。企業は人材確保のため若手の給料を上げ、中高年以降は成果主義へシフトさせていきます。つまり、ある程度のキャリアを重ねても安泰ではなく、常に仕事で結果を出せなければ給料も頭打ちとなるでしょう」

厳しい競争を勝ち抜く礎となるのは、若手時代からの積み上げ。結局は20代のうちから新しい知識を吸収し、実力をつけることが重要なのだ。

■「お金を稼ぐ=社会貢献」という考え方

また、現在の若者ならではの課題として、「給料を上げたいと望むなら、思考そのものをチェンジすることも重要」と渡部氏は語る。

「学生と接していると、がむしゃらに働いて稼ぐよりも世のため、人のためになることをしたいと話す子が多いです。彼らが仕事に求めているのは何よりも『やりがい』。しかし、いくらやりがいがあっても相手や会社に理解されなければ、モチベーションが続かないおそれがあります。そこで、考え方を少し変えるべきでしょう。たとえば、『儲かる会社っていうのは必要な人に必要なものを届けているから給料が高い。すなわち、給料が高いのは“感謝される量が多い”から』。そんな思考ができれば、やりがいを感じつつ十分な報酬を得られるようになるのではないでしょうか」

ビジネス環境はより厳しさを増し、給料アップのハードルも決して低くはない。しかし、努力をしただけの見返りはきっちり返ってくるともいえる。困難を自身のスキルと考え方の転換で乗り越えられる人が、より高い報酬を得られるようになるのだろう。

(小野洋平/やじろべえ)

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