初戦勝利でグループリーグ突破が見えた!?

開催地・南アフリカからW杯現地速報リポート!

2010.06.17 THU



写真提供/Getty Images
チアホーンとホラ貝の音色を足して二で割ったような民族楽器ブブゼラの響きが、南アフリカの大地を包み込んでいる。W杯が6月11日に開幕したのだ。

大会前から不安視されていた治安は、開幕前からファンや取材陣を狙った窃盗や恐喝として現実化した。首都ヨハネスブルグは街歩きにも大変な緊張を要すると聞くが、僕が訪れた南部のケープタウンは穏やかな空気に包まれていた。各国のサポーターはいつものように会場を埋め尽くし、大会を楽しんでいる。いつでもどこでも危険なわけでなく、場所によって表情が異なるというのが、現地に滞在しての実感である。

初戦のカメルーン戦を迎えるまで、日本の表情は冴えなかった。5月24日の壮行試合で韓国に完敗を喫したことで、岡田武史監督は戦い方を大幅に変更する。これまで主力を担ってきた中村俊輔、岡崎慎司、内田篤人らを先発から外し、守備力の高い阿部勇樹らを先発に起用したのだ。

5月30日のイングランドとのテストマッチこそ、守備に軸足を置いた戦いで接戦を演じることができた。だが、その代償として攻撃の厚みを失い、ただでさえ乏しい得点の気配がさらに貧弱なものとなってしまった。土壇場で続々とメンバーが入れ替わり、ゲーム主将まで交代する慌ただしさは、参加32カ国でも特異な存在である。

それだけに、開幕戦の勝利は驚きを誘った。「0ー0の時間帯が長くなれば、カメルーンは焦れる」(岡田武史監督)という想定に立った戦略が、前半39分の本田圭佑の先制弾で現実味を帯びていく。リードされたカメルーンはリズムを失い、日本の術中にハマったのだった。

W杯での勝利は02年日韓大会以来で、アウェイでの白星は4大会目で初めてのことだ。攻撃的な見どころに欠けるものの、超現実的な戦い方でグループリーグ突破を目ざす。内容ではなく結果を追い求めるリアリストとして、岡田監督は第2戦以降も勝ち点を積み上げていくつもりだ。
(戸塚啓)


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