なるほど意外なペットの雑学/第11回

ペットを捨てると不法投棄?

2011.10.28 FRI


「誰かが拾ってくれる」は、捨てる人のエゴ。愛情と責任を持ってペットを飼おう 画像提供:AyeYai/PIXTA
ペットは法律的に、人の所有物、つまり物として扱われているという話をどこかで聞いたことがある。でも人間と同じで命があるわけだから、完全に物ってわけにもいかないような気もするけど…。

「例えば、車で誰かの犬を轢いてしまい、死なせてしまった場合。これは他人の所有物を壊した、という扱いになり、器物損壊罪に問われます。さらに損害賠償として飼い主さんがその犬を買った金額に加え、慰謝料を支払うことになります」

そう教えてくれたのは、ペットの法律のプロである「むくの木法律事務所」の河野祥多弁護士。器物損壊罪ってことは…やっぱり完全に物扱いってこと?

「法律上はそういう区分になります。しかし、例えばあなたが飼っている犬が吠えたために、誰かが転びケガをしたとしましょう。その場合、基本的にはあなたに賠償責任が発生します。自転車などあなたの持ち物が人にぶつかってケガをさせた時と同じ考え方です。ただ、相手が何か嫌がらせをしたために犬が吠え、転んだ場合はちょっと状況が変わります。まれなケースではありますが、動物の性質を理解し、正当なしつけや管理がなされていた状況の中で起こった事故については、飼い主の責任が軽くなることもあるんです。そう考えると、物とまったく同じというわけでもありません」

ほうほう。所有物とはみなされているものの、動物であることも若干は考慮されているよう。さらに河野先生は、法律上「ペット=物」だとしても、完全にイコールではないもうひとつ別の事例を教えてくれた。それがペットの虐待の禁止だ。ペットが飼い主の所有物だからといって、どんな扱いをしてもいいわけではない。

「虐待は動物愛護管理法で禁じられています。ですので虐待している人へは誰でも
注意することができますし、もちろん警察も逮捕できます。ちなみに人に発見されないような山奥などに生まれたばかりの犬や猫を捨てるのは、『ペットの健康を損ねる行為』と定義されており、これも虐待とみなされます」

ということは人に発見されやすい道端などに捨てるのは違法ではない、と?

「いえ、やはり違法です。所有物を道端に捨てたことになるわけですから、不法投棄と同じです。さらに動物愛護管理法でペットの遺棄が禁止されているとともに、人畜に害を与える可能性のある動物を逃がすことは他の法律でも禁じられており、それを破ると軽犯罪法違反にもなります」

ちなみに、生態系を壊しかねないような外来生物を捨てることはどう扱われるでしょう? なんだか罪が重そうな気もしますが。

「生態系に害を及ぼすことが明らかな生物の場合には、外来生物法で捨てることが禁止されており、より重く罰せられています。また、同時に動物愛護管理法や軽犯罪法にも抵触する可能性が出てきます。その他にも、外来生物については、“この湖にブルーギルを逃がしてはいけない”といった条例が全国各地にあります。もちろん条例に違反するとなんらかの罰則が与えられます」

なるほど。危険な動物を捨てるのはもちろんダメとして、そうでない動物でも違法投棄扱い。さらに生態系を壊しそうな動物を放す行為は、より重く罰せられることが多い、と。

ともあれ、ペットの法律上の位置づけや扱いはともかく、生き物である以上は最後まで責任を持って世話すべきなのは言うまでもありません。ペットを購入する時には、購入費用だけではなく、飼っていく中でかかる維持費用やペットの寿命までしっかりと考える必要がありそうです。

(山葉のぶゆき/effect)

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