夏レジャーの“危機一髪”から生還せよ!/第1回

サメに襲われた時のサバイバル術

2012.08.03 FRI


映画『ジョーズ』にも登場した“危険なサメ”の代表格・ホホジロザメ。日本でも、このサメによる被害がたびたび報告されており、故・立川談志師匠がホホジロザメ退治を目的とする「シャークハンター必殺隊」を結成したこともあった 画像提供:RJ/PIXTA
古くから、人間に危害を加える海の生物として知られてきたサメ。『ジョーズ』を筆頭に、映画でもたびたびその恐ろしさが伝えられてきた。とはいえ、世界中に約500種いるとされるサメのうち、人間に危害を加えるおそれがあるのは、実はごくわずか。日本板鰓類(サメ・エイ類)研究会会長でもある、北海道大学の仲谷一宏名誉教授によれば、

「日本で遭遇する可能性があるサメの中で、特に危険なのはホホジロザメ、イタチザメ、オオメジロザメの3種」

という。実際、これらのサメに襲われたという事例はたびたび報告されており、近年では2012年の3月、鹿児島県奄美大島沖で転覆事故に逢った漁船の乗組員が、イタチザメと推測されるサメに襲われ、両脚を咬まれるなどの被害に逢っている。

では、実際そうした“危険なサメ”が近寄ってきた場合、どのような対処をとればよいのだろうか? 仲谷教授に伺った。

「まず、サメを見かけた場合には『近づかないこと(速やかに逃げる)』が最善策ですが、それでも万が一危険なサメに遭遇してしまった場合に心がけておきたいのは、サメに対して『受け身にならない』ことです」

獰猛な生物に対して下手に刺激をするのは逆効果、というイメージがあったので、これは意外なお答え。前述した奄美大島沖の事故でも、生き残った乗組員は、両脚を咬まれながらも、体長1mはあったというサメを「両腕で締め付ける」などして立ち向かったという。

「サメが近くに現れた場合は、まず大声を出す。スキューバダイビングで水中にいる場合は、ボンベを叩くなどで音を出すのも有効。周囲に知らせ救助を求めるとともに、サメを威嚇する効果も期待できます。それでも近づいてきた場合には、足で蹴るなどしてサメに立ち向かう姿勢を示すことです」

それでもひるまずに近づいて来た場合には、最後の対策として、

「カメラなど硬いものでサメの鼻先を叩くと、一時的にサメの気勢を削ぐことができる可能性があります。また、咬まれてしまった場合でも眼やエラなど敏感な部分を強くつかんだり叩いたりして、抵抗の意思を示しましょう。やはり一時的に気勢を削ぐことができる可能性があります。サメは1回だけ咬んで立ち去ることも多いので、速やかに水から出ることが大事です」

とのこと。ちなみにサメによる死亡事故は、深傷による失血死が大半。最後まであきらめず、勇気をもって立ち向かう姿勢を襲い来るサメに見せることが、サバイバルにつながるようだ。

(石井王子様)

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